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再会

一方で愛理栖はというと、

自身が管轄するブレーン宇宙内のあらゆる銀河で

生命がいない銀河の数を数えあげていた。


「みんな待たせてごめんね。

準備が出来たから、さっそくとりかかるね。

真智? 危ないからもう少し後ろに下がってて」


「うん、わかった」


「じゃあみんな? いくよ! 宙ちゃん救出ミッションスタート!」

愛理栖はそう叫ぶと、膨大な銀河のエネルギーが愛理栖の体にどんどん吸い込むまれていく。

 その状況は真智の頭でもはっきり理解できた。


「焼却炉半径1メートルの量子化ソースコードパターンを分析」


「ソースコードから

仮想アドレスオブジェクト空間へコンパイル変換中」


「全て読み取り書き換え完了」

愛理栖と谷先生は難しい言葉で状況を伝えあっていた。



「先生のパソコンに一通りデータを送信したから、真智ももう近づいても大丈夫だよ」


「次に虚数マイナス方向の動きと変化に影響するコードを全て検索」



「それら全ての数値データの書き換え及びビルド完了。

再起動……完了」



「ねえ愛理栖? 無事終わったの? 上手くいった?」

あたしは愛理栖にさっそく結果を聞いてみた。


「…………」


「ねえ愛理栖? 驚いたような顔してるけどどうしたの?」


「…………」


「黙ってちゃわからないよ! ねえ? ねえってば~!」


「無いんだ」


「無いって何が?」


「VRコンピューターが……」

結局、灰がVRコンピューターに戻ることは無かった。

宙救出作戦は失敗に終わったかと思えた……。



「お~い! 真智ちゃ~ん!」


遠くから、聞き覚えのある声があたし達の方へ向かってきた。


博士ハカセじゃないですか?」


「この人確か、一度真智ちゃん達とみに行った講演会にいた人じゃない~?」


「四葉ちゃん覚えてるんだね。

そうだよ。そしてこの博士、永山さんはあたしの家のご近所なんだ」


「真智ちゃん探したよ~、ハァ~ハァ~」


「博士、息も切れぎれに慌ててどうしたんですか?」


「真智ちゃんに申し訳ない事したなぁ~て思っていて、

君に謝りたくて今朝からずっとさがしていたんだよ」


「あたしの為にすみません。

あたしが学校休んで焼却場ここに来ていたことですよね?

でも、それはあたしが悪いから博士は悪くないですよ」


「僕が真智ちゃんのお母さんに焼却場ここ真智きみと会った事を伝えていなければ、

捨てられたと誤解させることも無かったんだよ」


「そんな、全てあたしが悪いんですから……?、

……博士? さっきなんて言いました?」


「僕が真智ちゃんのお母さんに焼却場ここ真智きみと会った事を伝えなければと」


「その後です!」


「真智ちゃんまあまあ落ち着いて~」


「四葉ちゃんは黙ってて!」


「は~い~」


「はて、その後?

 捨てられたと誤解させたこと?」


「それだよ~!!」


「そうか~、実は僕は真智ちゃんのお父さんからたくさん荷物をあずかっていてね、

預かった時はそれが何なのかわからなかったんだけどね、


だけど後で真智ちゃんのお母さんに聞いて、

それが、真智ちゃんが大切にしていたものだってわかったんだ。

そうとも知らず真智ちゃんに今まで黙っていて本当にごめんよ」


「博士は悪くありませんよ~!」


「真智ちゃんは僕を許してくれるんだね。ありがとう。


あ!、そうそう。

実はね、ここなら真智ちゃんに会えるだろうと思って丁度今持ってきているんだ」


「本当ですか~? その段ボール箱の中身ここで見せてもらえますか?」


「いいよ。ちょっと待ってね」


あたしは、博士と一緒に段ボール箱の中身の確認を始めた。


「あった~!!

谷先生~?」


「ああ、そうだな。良かったな真智」


「愛理栖~?」


「真智、見つかって本当によかったね!

それに、真智のお父さん、いい人だね」


「うん。 うん!

あたし、あたし、わ~ん!」


 突然、満面の笑みを浮かべるあたしの中から熱い気持ちが込み上げてきて、

あたしは感極まってその場で泣いてしまった。



無事VRコンピューターも手元に戻り、

あたしたちは早速、VRシステムを使い、宙の意識の救出へと向かった。



宙が弟の為にスケッチをした場所に、

体操座りをしてうつむきすすり泣く少女がいた。

「もしかして……宙?」


「え! 真智? ねえ、真智なの?」

少女は慌てて顔を上げあたしの方を振り返った。


「やっぱり宙ね! うん、あたし。真智だよ」


「真智、四葉、それに先生、グリ。

みんな、ありがと~!

あたい、寂しかったよ~! うわ~ん!」

宙は、あたしの胸の中で溜まっていた不安をすべて洗い流すように

泣き出した。


「宙、ごめんね」


「宙ちゃん~、私もごめんなさい~」


「四葉まで!」


「うちも、教師でありながら、本当に申し訳ない」

谷先生は宙の前で土下座した。


「先生、ちょっと辞めてくださいよ~!

元はと言えばあたいが長居し過ぎたせいですし」


「いいや、うちの気がすまん」


「ねえねえ、宙?」


「どうした、真智?」


「どうして宙は帰れなくなっちゃったの?」


「それが、あたいにもよく解らないんだけど、

突然、甲高くとぎれの無い大音響で機械音が聞こえてきたんだ。

それで、あたいは不安になってスケッチを取り止め

戻ろうと10秒間目を瞑ったが、駄目で、

その後目を瞑る時間を長くして何十回と試したが駄目だったんだ」


「甲高くとぎれの無い機械(ピーブ)音?

もしや……」


「先生、何か原因を知ってるんですか?」


「う~ん、いややっぱりありえん。今のは忘れてくれ」



「ところでさ、もう一人は誰?

グリとそっくりな……弟?」


「宙は知らないよね? この娘は……」


「失礼なー!

どうみたら私が男の子にみえるんですかー!」

あたしが宙に説明する前に怒った愛理栖が間に割り込んできた。


「グリが男の娘だったから、君もそうかと思ってしまった。

かたじけない」


「私この人嫌い。

ふ~ん! だ」


「まあまあ、愛理栖。

機嫌治して~。


宙に紹介しとくね。

この娘がこの前話した愛理栖」


「ホント、グリと見かけが瓜二つだな……」


「私が本物、そのグリって言う人の体は私の借り物、

いいですか?」


「まあまあ、愛理栖。落ち着いて~」



「ね~、ところでグリくんはどこに行ったのかしら~?」


「あれ? ついさっきまでいたよね?」


「あ! あんなところにいる!」

あたしは巨大結晶の前にいるグリをみつけた。


「ね~!グリ~!

宙もみつかったし、帰るよ~!」



グリは真剣な目で巨大結晶に自分の全身の姿を反射させ、

ゆっくりゆっくり右手で触れようとしていた。


「グ……リ? 、何してるの?」


「真智ちゃんかぁ。ごめんごめん。

すぐ行くよ!」


「え……? う、うん」

あたしは首をかしげつつも、それ以上グリを深追いしないことにした。




あたし達は無事に宙の意識を救いだし、

いつもの日常に戻ってきた。


「みんなごめん。あたし急いで帰るね!」


「真智どうした? そんなに慌てて」


「あたし、お父さんに謝らなきゃ!」


「そうか真智、本当によかったな!」


「はい!」

あたしは満面の笑みでそう答えると、家路に急いだ。


——————————————————————

【登場人物】

•真智

•愛理栖

•谷先生

•四葉

•グリ

博士ハカセ(永山さん)

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