苦手なこと
自覚は……あったものの……
書いていて、薄々気が付いていながら目をそらしていたことに直面することになった。
私は、……まあ私自身がそうなのだけど、「会話」が苦手なようだ……。
小説で出てくる「会話」を書くのが得意だという人はいるでしょうか。私はダメです。あかんのです。
物語の登場人物たちは普通の会話をしている。違和感などない。はずだ。うん。
どんどん肯定の言葉が短くなっていくのだが、自分では己が書いた会話文を読んでいてなんだか自信がない。別に具体的に「このセリフが気に入らない! こんなシーンは滅するのみだ!」なんて思うわけではない。ただ、読むけど、頭に会話の内容は入ってくるけど、特に魅了されないというかなんというか。
コミカルなシーンじゃない。だから読んだ人はクスリとも笑って欲しいとか思っていない。よし。
腹の探り合いをしているわけではないので、この会話を手に汗握って読んでもらいたいわけではない。別に仰々しい言い回しなんか登場しない。うむ。
しかし、なんだろう。さらっと読めるのは悪くないけど、淡白な会話……?
私はあまり人と話すのが得意ではない。いや喋るだけならいい。疲れていると相手の発言を頭が理解してくれなくなるのはおいておいて、目を合わせるのがとても苦手だ。相手の目を見るのではなくこっちは己の思考を目で見て、相手の言葉は耳だけで聞いている。
よくわからないかもしれないがそうなのだ。視覚情報が一秒にも満たない間隔で目からの情報と思考の暗闇を反復横飛びしまくっている。目なんか合わせていたら思考の世界に飛べないのだ。悪癖だとは思う。よく相手の相槌に合わない言葉が最初に口から出てくるし……。
この悪癖でとりあえず学習した私は、会話の返事は無視してはいけないと心に刻んだ(しかし忘れる。目も合わせなさい)。
主人公が「おはよう、いい天気だね」と言えば、「寝癖を直せ」とだけ返すのはよくない。せめて「おはよう、天気はいいけど寝癖は直してこい」と続けないといけないのだ。主人公の言葉が宇宙に飛んでいってしまう。
……としか、私は会話文で考えていることはない。一人称を気を付ける、敬語などの口調を気にするのは「技術」だと思っている。
これは……小気味いい会話文を考えるセンスがない、というよりも磨いてこなかったのではないかと自分を疑わざるを得ない。
これからの課題になりそうだ……。
会話文より地の文に意識が向いている自覚もある




