(^ω^)【おっさんがごっこ遊びしてたら職質された】のようです
(^ω^)「売れねぇなー」
(・∀・)「売れねぇよなー」
('A`)「ホンマ売れへんわー誰か買って-」
売れなさ過ぎる作家の三人は、仕事も無いのにブラブラと公園に来ていた。
遊びに行く金も無いのだ。
(^ω^)「暇だし、お便りを読むラジオパーソナリティごっこしようぜ」
(・∀・)「お前ほんとごっこ遊び好きだよな」
(・∀・)「いいぜ」
('A`)「平日の昼間にブランコ漕ぎながら何やってんだ」
(・∀・)「それではふつおたのコーナーです」
(^ω^)「はい。それではラジオネーム『月曜日よりの使者』さんからのお便りでーす」
(^ω^)「『月曜日よりの使者』さん。いつもご拝聴ありがとうございます」
(・∀・)「ありがとうございまーす」
(^ω^)「『創作のキャラに自分の考えを喋らせる作者はダメだよな。お二人はどうですか?』」
('A`)「お、そうだな」
(・∀・)「いや、全くその通りだと思いますね」
(^ω^)「そぉーですね。僕も同感です。セリフではなく、物語で自分の主張を伝えるべきだと思いますね」
('A`)「奇麗な弧を描いたブーメランだな」
(^ω^)「まぁ、読まれなかったな何も意味ないんですけどねー、このお便りみたいに」
(・∀・)「ウケる」
('A`)「なんで全方向に敵を作りながら自滅していくのお前ら」
(^ω^)「こういう生き方しか知らないから……」
('A`)「生き辛そう」
(・∀・)「『月曜日からの使者』さんには番組特製ステッカーをプレゼントします」
(^ω^)「ありがとうございまーす」
('A`)「まだ続けんのか」
(・∀・)「続きましてはーラジオネーム『ソースの魔人』さんからのお便り」
(^ω^)「『とどのつまり、話はどうでもよくてキャラが立ってりゃいーんだろ?』」
(・∀・)「ったりめーだろうが。何言ってんだコイツ」
(^ω^)「キャラが立っているのは前提条件だろ。キャラが好きにならなきゃ読まねぇんだもんよ」
(^ω^)「どれだけCGDCT作品が流行ってると思ってんだ」
('A`)「CGDCTって何?」
(^ω^)「"Cute Girls Doing Cute Things"。『かわいい女の子が可愛いことをする』って意味だ」
(・∀・)「つまり萌え系や日常系だな」
(^ω^)「俺たちもコレに便乗しようぜ」
('A`)「俺たち女の子じゃねぇし、おっさんだし」
(・∀・)「俺もかわいい女の子になりてぇなーッ!!」
('A`)「いきなりTS願望を発露するな」
(・∀・)「はぁ!?男は全員かわいい女の子になりてぇんだよ!!」
(^ω^)「分かるぜ!お前の言葉、心で理解できる!!」
(^ω^)「かわいい女の子に、な゛り゛た゛い゛ッッ!!」
(^ω^)「教室でキャッキャウフフじだがっだ!!」
('A`)「ブランコ乗ったおっさんが泣きながら『女の子になりたい』って言う絵面の醜さエグい」
(・∀・)「"Crap Guys Doing Crap Things"……流行らしていこうぜ」
('A`)「誰が見るねん」
(・∀・)「おっさん」
(^ω^)「おっさんがおっさんを見て、おっさんになる。それをまたおっさんが見て……」
(・∀・)「夢の永久機関」
('A`)「悪夢だよ」
(・∀・)「『ソースの魔人』さんには番組特製ステッカーを2枚プレゼントします」
(^ω^)「続いてのお便りはラジオネーム『テッドロス症候群』さんから」
('A`)「この期に及んでごっこ遊びを続けるのか……」
(^ω^)「『売れたいですが、世間に迎合したくありません。商業音楽を批判していたバンドが、売れてからPOPを奏でるように』」
('A`)「全部お前の胸の内じゃねーかさっきから」
(・∀・)「そうしないと売れねぇんだよ。商売に必要なのは自分の主張じゃなくて客の需要だ。それを迎合と呼ぶかどうか知らんが」
(^ω^)「違うね!芸術はエゴを突き詰めることで開花するのだ!!」
('A`)「お、今まで同意見だった二人の意見が割れた」
('A`)「俺たちの芸って……芸術って言えるほどのもんか?」
(・∀・)「突き詰めたきゃ突き詰めるがいいさ。売れるかは知らんけどな」
(^ω^)「ふん。客に媚びても、自分の芸が無ければ、誰かの後塵を拝することしかできない」
(・∀・)「お前はどう思う?」
('A`)「月並みだけど、バランスが大事なんじゃないかな」
(^ω^)「バランスかぁ……」
(・∀・)「と、なると大事なのはオリジナリティを出しつつ……」
(^ω^)「世間の需要にマッチするもの……」
(・∀・)「やっぱりCGDCTだよ!!」
('A`)「違うよ」
(^ω^)「ビッグウェーブ、起こしていこうぜ!!」
('A`)「おっさんにその元気はないよ」
(゜Д゜)「あのーちょっといい?」
(・∀・)「誰っすか?」
(゜Д゜)「警察だよ。見てわかんない?」
(^ω^)「なんすか?」
(゜Д゜)「いや、近所の人から通報があってね。公園に不審者がいるって」
('A`)「怖いっすね。僕らも見かけたら報告しますよ」
(゜Д゜)「お前らだよ」
('A`)「え?」
(゜Д゜)「いや、自覚ねぇのか。もっと恐ろしいわ」
('A`)「だって公園って憩いの場ですよね?おっさんは憩ってはいけないんですか?」
(゜Д゜)「憩ってもいいけどブランコ占領すんなよ」
(・∀・)「あ、それは悪いことしましたね。ブランコはキッズのものですもん」
(゜Д゜)「……まぁいいや。で、アンタら仕事は?」
(^ω^)「あったら平日の昼間に公園に居るわけねぇだろ。少し考えれば分かるような事訊くんじゃねぇよ公僕がよ」
(゜Д゜)「逮捕すんぞ」
(・∀・)「まぁまぁ番組特製ステッカーあげますから」
(゜Д゜)「要らねぇよ。つーか、何も持って無いじゃねぇか」
('A`)「この身一つで上京してきましたからね僕ら」
(゜Д゜)「うっさいわアホ。さっさと帰れ」
(・∀・)「まぁコイツも反省してるみたいだし、許してやってつかぁーさい」
(^ω^)「It's the finger f*ckin' BAD!!!!!!!」
(゜Д゜)「帰れ!!!」
◇
【帰り道】
(^ω^)「ま、アレだな……俺達は未だ世間には知られてないし、売れてないけど」
(^ω^)「自分たちのスタイルを続けるしかないんだよな」
(・∀・)「そうだな。少し趣味がマイナーなだけ。いつか日の目を見れるさ」
('A`)「なんか良いこと言ってんな。おっさんのくせに」
(^ω^)「あ、ジュース買お」
(・∀・)「俺も」
('A`)「俺も……お!この自販機炭酸入りコーヒーあるじゃん!」
(・∀・)「ホントだ。これ人気ないよな」
('A`)「マジで?俺好きなんだけど」
(^ω^)「どこに需要あるのか不思議だけど、ここにあったわ」
(・∀・)「でも売れてないのに、良く再販されてるよな」
('A`)「信じてるのさ。マイナー趣味の味がメジャーになることを」
(・∀・)「ないない」
(^ω^)「そんなのあり得ねぇよ。マイナーは成るべくしてマイナーなんだよ」
('A`)「ブーメラン後頭部に突き刺さってんぞ」