剛をモデルに5
これまでの話を総合して、奈美はしばらく、新しい物語に思いを馳せた。
ノストラダムスのお爺さんは、クリスマスに名士を招待出来る立場ではないようだ(どうも、早く亡くなってる説もある。)
こうなると、父さんの居るアビニョンに遊びに行く方が、話を続けていけそうだ。
剛の話を聞いてるうちに、奈美は意欲が湧いてくるのを感じた。
ここは田舎だが、ノストラダムスの生活環境も似たような感じがして、親近感が生まれてきた。
騎士とか言われても、想像が難しいけれど、剛の学生時代、気合の入った人達は沢山いた。ま、平たく言うと不良なんだけど。
そこまでいかなくても、それっぽいのは、奈美の家にも見習いできていた。
まだ、小学生だったと思う。今は、独立して女房子持ちの大工のケンちゃんは、見習い当時は眉が薄くて、赤いTシャツをよく着ていた。
無口で一見怖そうだったけど、遅刻はしなかったし、とても礼儀正しかった。
奈美の上の兄が好きで、よくついてまわってた。
ある日、夜中に兄の絶叫で起こされた。
隣町に遊びに出かけた兄を待って、5時間近くつま先立ちでしゃがんだまま、電気もつけずに兄の部屋で待っていたらしかった。
今では、眉は濃くなり、頭頂部が若干薄くなったけれど、剛がノストラダムスなら、ケンちゃんが騎士でいい気がした。
そう考えると、なんだか知らない国の人達に親近感が生まれてきた。




