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ノストラダムスを知ってるかい?  作者: フリマジンA
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活動報告

半年…放りっぱなしにしたサイトのIDとログインパスワードって、やっぱり忘れているものね。


瀬謙(せけん) 奈美(なみ)は、パソコンの画面を睨んで苦笑する。

奈美が開こうとしていたのは、素人小説サイトである。


フリマが好きだった奈美は、フリマ仲間とファミレスで投稿サイトを見つけ、登録した。

気軽な気持ちでIDを作り、震災以降激減したフリマの代わりに、自分達の経験した馬鹿話を幾らかで買ってもらおうと思ったのだった。


しかし、登録したサイトではお金は稼げないことに後に気がつく。


文芸のフリーマーケットなんて、紛らわしい宣伝しないで欲しかったわ。


奈美は、サイトのロゴを見つめて頬を膨らます。

30代になったと言われても、不機嫌なときは少女の頃の悪い癖が出てしまう。

が、文句を言っている場合でも無い。

時は2021年。

ヘラヘラと楽しげにフリマの話をしていた登録時には思いもよらない事がおこった。


新型コロナの流行である。

これによって、フリマ仲間と一年は会えない日々が続いていた。


まあ、フリマが無いから、会う用事も無いと言えば、ないのだが。

メールの連絡すら無くなると、さすがに心配にはなる。


奈美の家は小規模の工務店…と言うか、大工をしていて、巣籠もり需要なのか、この一年、リフォームの仕事が増えて忙しかったのに対し、

仲間で(つよし) 自称フリーター(50代)は、イベントが激減して、去年の5月に無職になる。

まあ、それでも秋から仕事のオファーがあり、山形から県外に出稼ぎに行っている。


その剛、正月のメールを返信してから後、メールをしても返信が来ないのだ。

一応、電話をかけると呼び出し音がするから、スマホは生きていて…支払いもされているのは確認している。


まあ、返信してこないのはいつもの事だから、大袈裟に騒いだりはしないのだが、心配ではある。


そして、音信不通がもう一人…


マサル…(-"-;)


奈美は、2019年の師走を思い出していた。

仲間との忘年会…

日帰り温泉の食堂で、語らった。

来年は、きっと、皆で慰安会をしようと皆で抱負を語ったのに……


一ヶ月もしないうちに、こんな事になるなんて、考えもしなかったわ。


奈美は、保存箱を開いて手帳を取り出す。

2018年…手帳を開くと、やはり、パスワードが書いてあった。

そのパスワードを入力するとログインが出来た。


奈美は、そのまま、作者の報告欄を開く。


一度も書いたことの無い、殺風景な報告欄の新規投稿をクリックする。


その輝く白いページに奈美は、様々な仲間との思い出を投影する。


マサルは、同じく30代。

自営業。趣味と言うか、ライフワークとして、謎と不思議な世界について、ネットで呟く男である。


19年の忘年会で奴は言った。

全ての電波から解放される………?為に、しばらく携帯電話を解約すると(-"-;)


春になったら、新しい携帯を買うから、メールすると。

そして、一年、音信不通。


奈美は、ため息をつく。

一年前の忘年会の時の、冗談みたいな自分の台詞を思い出す。


「しかたないなぁ…、まあ、フリマ以外、会うことないし、良いけど、

小説サイトに登録したんだ。

何かあって、どうしても連絡がつかなくなったら、 このサイトで呼び出ししちゃうからね。」


まさか…本当に、この欄を使うことになろうとは…。

キーボードに軽く手を広げながら、何を書いたものかと奈美は悩んだ。


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