新しい家
投稿するの遅くなってすみません。
これからも読んでくれると嬉しいです。
不知火たちの家を出た後、しばらく歩くと白夜がある建物の前で止まった。
「着いたぞ、ここが俺の家だ。」
白夜がそう言った後、鍵を開けて玄関の扉を開いた。
「いつまでも突っ立ってないで中に入るぞ。」
「はい。」
月夜は、白夜に返事をした後、言われた通りに中に入った。
家は、一人で住むには少し大きいくらいの大きさだった。
玄関で靴を脱ぐタイプの家のようで、白夜は履いていた履物を脱いで中に入った。月夜も白夜と同じように履物を脱いで白夜の後について行った。
玄関から廊下が少しあり、正面と左右に一つずつ扉が付いていた。
「正面の扉がリビングで、左が浴室で、右が寝室だ。まあ、今日はもう寝ろ、明日はいろいろやることがあって忙しいからな。」
「分かりました。どこで寝ればいいですか?」
「・・・。」
白夜は、月夜の質問に返事をしないで月夜をしばらく見つめていた。
しばらく、何も言わずに見つめられていたので月夜が白夜に話しかけた。
「あの、どうかしましたか?」
「いや、仮にも奴隷だから仕方ないかもしれないが、その硬い喋り方やめてくれない。俺は別に奴隷が欲しい訳じゃないから。」
「分かりました。出来るだけ善処します。」
「ああ、慣れるまではそのままでいいよ。」
「分かりました。」
白夜は、仕方ないかと言いたげな顔をした後、寝室の扉を開いてこっちに来るように手招きをした。
月夜が白夜の傍に行き寝室の中を見ると、扉の正面の壁に本棚があり、右側の壁に沿ってベットが置いてあった。
「今日は、あのベットで寝ろ。」
「ですが、それだと白夜さんはどこで寝るんですか。」
「俺は、しばらく寝なくても問題ないから気にしなくていい。それと、さんはいらない次からは白夜でいい、硬い喋り方はすぐに直せないだろうが、こっちはすぐに直せるだろ。」
「はい、分かりました。」
「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
それだけ言うと白夜は、月夜を寝室に残して部屋から出て行った。
月夜は言われた通りにベットに入った。
(変わった人に買われたな。)
月夜は、そんな思いを抱いたが、すぐに眠ってしまった。
月夜を寝室で寝かせた後白夜は、リビングに移動した。
リビングは、左側の壁に扉があり、正面の壁にソファーが置いてあり、右側の壁には本棚、部屋の真ん中には絨毯がひいてあり、そのうえに机があった。
白夜は、本棚の本を取りソファーに腰を掛けて本を読み始めた。
そのまま、朝まで本を読み続けていた。
朝、日が昇り始めたあたりから本を読むのをやめて、廊下に通じる方ではない扉を開けた。
扉の先には台所があり、白夜は、料理を作り始めた。
月夜は、起きると眠たいながらも体を起こして廊下に出た。
廊下に出た後、リビングに繋がる扉を開けてリビングに入った。
しかし、白夜の姿はなかったので、どうしていいのか分からず少しの間その場で立ったまま考えていると、左側の扉から白夜が出てきた。白夜は手に、料理を持っていた。
「おう、丁度いい時間に起きて来たな。」
「おはようございます。」
「ああ、おはよう。そこに座って待っていてくれ、他の料理も運んでくるから。」
「はい、分かりました。」
言われた通りに机の傍で座って待っていると白夜が先ほど持っていたものとは違う料理を持ってきた。
「じゃあ、召し上がれ。」
「いただきます。」
特に何も話さずに朝食を食べ終わった。
「ご馳走様でした。」
「お粗末さまでした。」
「手伝います。」
白夜が、食器を片付け始めたので、手伝おうとしたが。
「いや、ゆっくり休んでいていいぞ。今日は忙しいからな。」
白夜に断られてしまったので、月夜は仕方なく座って休んでいることにした。
白夜が食器を片付け終わったようなので、今日何をするのか聞くために話しかけた。
「あの、今日忙しいと言っていますが、何をするんですか?」
「まあ、いろいろやることがあるから説明するの面倒くさい。」
「そうですか。」
「まあね。じゃあ、さっそく行きますか。出かけるぞ。」
「分かりました。」
そういって家を出た。
「どこに向かうのですか?」
「手出してくれ。」
「こうですか?」
月夜は、よくわからずに手を出すと、白夜がその手を握って来たので、少し驚いたがすぐに落ち着いた。
「景色が行き成り変わるから驚くと思うけど、出来るだけ我慢してね。」
「え?」
白夜が、そういった後すぐに景色が変わった。
そして、変わった景色は、大きな門の目の前で、門の向こうには大きな城が見えた。
「ここは!?」
「空間跳躍っていってまあ、長距離を一瞬で移動する術だ。」
白夜は、景色が行き成り変わったことについて説明したが、景色が変わったことに驚きはしたが、あらかじめ言われていたので、それほど驚きはしなかったが、移動先であるこの場所に対しての驚きがとても強かった。
「なんで、ここに来たんですか?」
「そりゃあ、ここに用があるからだけど。」
「でも、ここって王城じゃないですか。」
「そうだよ、このバルアースの王様に用があるんだから。」
「!?」
月夜は、驚きのあまり何を言えばいいのかさえ分からなくなっていた。
そんな話をしていると門の近くにいた門番らしき兵士が声をかけてきた。
「白夜さん、王様に用事ですか?」
「ああ、そうだ。通してくれ。」
「はい、どうぞお通り下さい。」
兵士は、普通に門を開けて白夜たちを通した。
月夜は、現状について行けずに放心していたが、白夜の後にしっかりとついて行った。
それから、白夜は城の中を普通に進むがすれ違う人は誰も止めようとせずに普通に挨拶をしていた。
しばらく、城の中を進むと大きな扉の前に来た。
白夜は、その扉を開けて中に入ると、かなり広い部屋で向かい側に玉座があり、そこに若い男性が一人座っており、その傍らに従者らしき人が立っていた。
白夜は、いつも通りに歩いて行き玉座の近くまで行った。
月夜は、どうしていいのかわからず白夜について行くことしか出来なかった。
「やあ、久しぶりだな。」
白夜は、玉座に座っている王様に向かってとても気軽に挨拶をした。
「おう、久しぶり。急に来るから驚いたぞ。」
王様も白夜と友達と話すように気軽に話始めた。
それを見ていた従者が、呆れた様子で話に割って入った。
「お前は、相変わらず失礼な奴だな。王様に敬語を使わぬか。」
「まあいいではないか。立場的にはこちらの方がしたな訳だし。」
「そうですが。」
王様の言葉に何も言い返せないようで従者は黙ってしまった。
「相変わらず、お前は硬いなアラン。もう少し好きなように生きろよ」
「お前は、好き放題やり過ぎだ。」
「あの、よろしいでしょうか。」
白夜と王様たちの話についていけなかった月夜が質問しようと話を遮った。
それに王様が月夜に質問を聞く許可を出した。
「ああ、構わないよ。」
「あの、白夜が立場的に王様より上と言うのはどういうことですか?」
月夜の質問にアランと呼ばれた従者が答えてくれた。
「君はこの男のことをどれくらい知っているんだ?」
「不死者であること以外は何も知りません。」
「そうか。全て話すと長くなるからな簡単にまとめるとしよう。この男は、その気になればいつでもこの国を滅ぼすことが出来るんだよ。それも一瞬でな。」
「!?」
「おいおい、それだと俺が脅してるみたいじゃないか。」
「似たようなものだろうが。」
「まあ、白夜に滅ぼす気はまるで無いみたいだけどね。でも白夜はこの国に結界を張ってくれてるから、僕たちは守られてる身だから立場的には上ってだけだよ。」
「そういうことです。」
「そうなんですか。」
「次はこちらからの質問ですが、あなたは何者ですか?」
「え!?」
「白夜に買われた奴隷であることはわかっていますが、見た感じ奴隷という風でもありませんしどういう立場なのか確認です。」
「私にもよくわかりません。」
「そうですか。では、白夜あなたはどういう立場として扱うつもりなのですか?」
「んー、家族かな。」
白夜の答えに王様と従者は少し驚いた顔をしたが、すぐに元に戻った。
「そうですか。あたなが家族を作ってくれるとこちらも助かるのでありがたいです。」
「白夜が家族というとは思ってなかったわ。」
「アランに喜ばれる意味が分からん。」
「あなたが暴走しないように手綱を握ってくれる人がいるとこちらも助かるのですよ。」
「あっそ。」
「で、今日は何の用で来たんだ?」
王様が突然本題を聞いてきた。
「ああ、新しい家を用意してもらいたくてな。今日の夕方までに頼むわ。」
「確かに二人で住むには、あの家では狭いですしね。」
「そういうことだからよろしく。後ベットや家具も二人分用意してくれ。」
「分かりました。すぐに手配します。」
「じゃあ、俺たちは他にもやることがあるから帰るわ。」
「おう、また来いよ。」
「おう、またな。」
白夜は、月夜の手を取り空間跳躍で謁見の間から姿を消した。