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出会い

神によって転生した世界は、魔法や超能力が普通にあり、人間以外にも魔物やエルフなどたくさんの種族がいた。国や町はゲームでよく見るような中世ヨーロッパをモチーフにしたような物だった。服は、着物や甚平のような服やチャイナドレスなど様々な物があった。食べ物も現代社会とは、違うものが大半だったが、慣れれば問題なく食べられるようになった。

その世界で、0歳の時は、出来ることがほとんどなかったが、1歳から2歳かけて、親の目を盗んで修行し力を身に着けていった。

そして、3歳の時に神にお願いした通りに捨てられた。捨てられた場所は森の中だったため、最初の頃は、果物などを探し魔物や猛獣から身を隠しながら修行していった。1年が過ぎたころには、魔物や猛獣を狩りながら暮らせるようになった。そんな生活続けて10歳になる頃には、理想の9割くらいの力を手に入れていた。そのため、魔法や超能力を使うための魔力や身体能力はそれなりに高くなったため、森の中で勝てない生き物はいなくなっていた。12歳なった時には、理想の力を超えていたので森を出て町に行った。

町について1年で、冒険者として魔物討伐などをしてある程度の生活が出来るためのお金を稼いだり、人脈作りながら修行を続けた。

そして、期限の16歳の時には、理想の力を大幅に超えた力を身に着けて、そして住み始めた国のバアルアースでは、商業などの手助けをしたことで、かなりの人脈を作り上げ前世の名前である水樹白夜として生活をしていた。

現在の外見は、身長165センチくらいに髪は銀髪で膝上くらいの長さがあり、瞳の色は透き通るような青色、肌はとても白い。そして服装は、甚平を長ズボンにしジャージのズボンを甚平にしたようなズボンと袖を少し細くした物に着物の袖に手を通して羽織っている。


「今考えると結構頑張ったなー。」


バアルアースにある家のソファーでくつろぎながら呟いた。

特に誰かと話している訳ではないが、今までを振り返ると死ぬほど頑張ったと思えた。


「前世よりは、楽しいし自分のやりたいようにやれるからいいんだが。なんか足りないんだよなー。」


けれど、理想の自分の力はすでに持っているのに、物足りない感覚のせいで悩んでいた。

気晴らしに町を歩こうと思い外に出て様々な場所を歩いた。

その途中でたくさんの奴隷を乗せた馬車が目の前を通った。通り過ぎた馬車を目で追った後、馬車を追いかけた。

この世界では、奴隷は普通にいるため珍しかったわけではない。ただ、その奴隷の中にいた一人が気になったからだ。


「おい、少し止まってくれ。」


馬車に追いつくと商人らしき男に声をかけて馬車を止めた。

男は、白夜の顔を見ると馬車から降りてきて話しかけてきた。


「これは、白夜様。この度は、どのような御用でしょうか?」

「そんなに畏まらなくていいぞ。まあいい、用件は一人買いたいのだが構わないか?」


男は、少し驚いた顔をしたがすぐに戻して続きを話し始めた。


「ええ、構いませんよ。でも、あなたが奴隷を求めるとは珍しいですね。何か理由があるのですか?」

「別に大した理由はない。なら、あの子を頼む。」


男の疑問に答えた後、先ほど気になった奴隷を指さしていう。

男は、指さされた先を見て、白夜の方に向き直った。


「ええ、構いませんよ。」

「金はこれでいいか?」


持っていた金貨を入れた袋を渡した。

袋の中を確認した男は、驚いた顔のまま話始めた。


「いえ、これは流石に多すぎます。」

「まあ、気にせずに受け取っておけ。」

「はあ、あなたが言うならそうします。では、連れてきますので少々お待ちください。」


男は、馬車に乗り一人を連れて出てきた。

その奴隷は、白夜と同じくらいの身長で髪は白夜より少し長いくらいの金髪だがところどころ汚れている少女だった。少女の顔つきはかなりの美少女なのはわかるが髪と同じく汚れているためぱっと見はそこまで綺麗には見えない。体つきも全体的に痩せているが女性としての魅力もしっかりとある。そして、瞳は赤色だったが、感情が死んだような目をしている。しかし、首と手に黒い鉄の枷がつけられている。


「こちらでよろしかったでしょうか?」

「ああ、大丈夫だ。おい、お前名前は何という?」


少女は、無感情で無機質な目を白夜に向けて返してきた。


「私に名前はありません。」


少女の声は、とても無機質で感情をまるで感じられなかった。


「そうか。なら、まず手を前に出してくれ。」


少女は、無言のまま手を前に出した。

白夜は、手についている枷に触れた後、首についている枷にも触れた。

白夜が触れて少し経つと枷は粉々に砕けた。

商人の男は、驚いて話しかけてきた。


「何をやっているんですか?枷を外してしまっては逃げられてしまいますよ。」

「別にいいじゃないか。俺から逃げられるなら自由にしても。」

「そうですね。」


男は、白夜の言葉にそれ以上何も言わずに黙った。


「じゃあ、行くぞ。」


男を放置して、少女の手を取って歩き始めた。

移動の途中周りからたくさんの視線を向けられた。

それを気にせず白夜は、とある通りにある服屋に少女を連れて入った。


「おい、いるか?」

「ああ、居るぞ。」


奥から一人の男が出てきた。

男の名前は不知火。この服屋の店主をしている。


「おお、白夜じゃないか。どうしたんだ?」


不知火は、白夜の後ろにいる少女を見ると白夜の傍に来て小声で話しかけてきた。


「どうしてお前が奴隷を連れているんだ?」

「まあ、色々あってな、さっき買ったんだ。」

「いや、何があったらそうなるんだよ。」

「そんなことより、あんたの嫁にこいつを風呂に入れて洗ってきてもらえないか?」

「ああ、わかった。小百合ちょっと来てくれないか。」


不知火の嫁の小百合が奥から出てきた。


「あら白夜さん、お久しぶりです。今日は何の用ですか?」

「さっき買った奴隷を風呂に入れてほしいんだとさ。」


不知火が言った言葉を聞いた後、小百合の周りから青色のオーラのような魔力を放って白夜の方に近づいてきた。


「白夜さんそれはどういうことですか?」

「落ち着け取り敢えず話はこいつを風呂に入れてからだ。」

「分かりました。少し待っていてくださいね。さあ、こっちに来てください。」

「はい。」


小百合が、無機質な返事をした少女を連れて奥に入っていった。


「で、どうするんだ?早く理由を考えないと面倒なことになるぞ。」


小百合は、かなり強い魔力を持った魔導士であるため怒らせるととても面倒だ。


「何とかなるだろ。」

「適当だなー。それで風呂に入れるだけなら家でも出来ただろなんでここに来たんだ?」

「あいつの服を買いに来たに決まってるだろ。」

「そうか。でどんなのにするんだ?」

「取り敢えずは、俺と似た様感じの服でいいだろ。」

「分かった。風呂から出てくる前に用意しておくよ。」

「よろしく頼む。」


不知火は白夜を店の奥の不知火たちの住んでいる場所に連れてきた後、服を探しに行ったため、白夜は近くにあった椅子に腰を掛けて待つことにした。少しすると小百合が風呂場がある方から出てきた。


「あの子、体を洗って風呂に浸かるように言っておいたわ。」

「ああ、助かる。」

「で、なんであの子を買ったのか話してもらえるんでしょうね。」


小百合は笑いながら魔力を少し出して聞いてきた。

笑っているはずなのに目がとても怖かった。


「大した理由はないんだが。」

「へえ、じゃあなんのために買ったのかしら。まさか性的なことをするためかしら。」

「お前も俺のことは知ってるんだからそれが違うことくらいわかるだろ。」


白夜の回答を聞いて、小百合は魔力を抑え、近くにあった椅子に座った。


「あなたのことを知っているからこそなぜ、あの子を買ったのかがわからないのよ。」

「それは僕も同じさ。」


不知火が、風呂場の方から出てきた。


「服を置いてきたのか?」

「まあね、それで白夜はなんであの子を買ったんだい?」


白夜は、少し考えた後話始めた。


「大した理由じゃないさ。ただ、今まで感じたことのない何かを感じただけさ。それに昔の俺に少し似てる感じもしたしな。」

「確かに最初にあった時のお前に似ているな。無感情で無機質でもそれは他の奴隷も似たようなものだろ。」

「まあな、でも何かを感じたから買ったのさ。」

「あなたは、相変わらず変わった人ですね。」

「まあ、何か困ったことがあれば声をかけてくれ出来るだけ手助けはする。」

「ああ、助かる。」

「どころで、あの子の名前は?」

「ないんだとさ。」

「なら風呂から上がったらつけてやらないとな。」

「それよりあいつ服の着方分かるのか?」

「それもそうですね。服の着方かを教えに行ってきます。」

「ああ、よろしく頼む。」


小百合はそういうと風呂場に向かった。


「で、これからどうするんだ?」

「まあ、あいつに常識から教えていくかな。」

「そりゃあ無理だわ。」

「なんでだよ。」

「まず、お前に常識がないからな。」

「お前に言われたくねえよ。店主としてならともかく冒険者として魔獣と戦ってる時なんて力まかせのバーサーカーだろうが。」

「戦闘スタイルは常識とは関係ないだろ。」

「バーサーカーに常識があるとは思えないんだが。」

「それは、偏見だろうが。」

「そうだけど。」

「認めるなよ。はあ、で常識を教えてる以外は何をするんだ?」

「まあ、冒険者として鍛えていくかな。」

「下手に力をつけると逃げられるんじゃないか?」

「逃げられたらそれでいいさ。俺から逃げるだけの力をつけてなお逃げたいと思っているならな。」

「お前から逃げるなんて何年かかるんだかな。」

「まあ、少なくとも俺の足元くらいには強くなってもらわないとな。」

「もっと無理な話じゃないか。」

「あいつをここに連れてきたのは、お前たちに合わせるためでもあるんだ。俺と同じ不死者であるお前たちにな。」

「まさか、お前!?」

「お前の考えてる通りさ。あいつには悪いがな。」

「お前は、一体何がしたいんだ?」

「いつか、わかるさ。」


その後、不知火は小百合が少女を連れてくるまで黙っていた。

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