プロローグのプロローグ
プロローグのプロローグ
第32層 支配者の間付近
「ふぅ、この層のマッピングもボス部屋を残して終わったな。」
直前までのリザードマンとの戦闘を終え、一息をつく。
「……もう少しレベルを上げるか装備品を整えないとそろそろ限界だな。」
事実、先程までの戦闘によって俺の得物である片手用直剣「ハウリングソード」の刃はボロボロになっていた。
「…少し勿体無いが、この武器の状態で歩いて戻るのは危険だな。」
俺は周囲に敵の姿が見えない事を確認すると、自分だけに見えるステータスウィンドウを開いた。
「さっきの戦闘でレベルが一つ上がったか。ふむふむ……ん?これは…」
先程のリザードマンとの戦闘ログを眺める中で俺は普段見慣れないログを目にする。
「tpgjoj?なんだこれは?」
リザードマンからドロップしたアイテムの間に紛れていたようだ。
文字化けしているようなアイテムを目にするのはこれが初めてだったので、もの凄いレアアイテムなのかもしれない。
「…街に戻ったらあいつの所に持って行ってみるか。」
幸いこの文字化けアイテム以外は普段通り取得出来ているようだ。
俺自身は必要としないが、仮にも最前線のモンスターの素材である皮や爪はそれなりの額で取引されている。
武器の修繕と鑑定料、今日使ったポーション類のアイテムの費用を大きく上回るだけの額にはなる筈だ。
「さて、いい加減戻らないとあいつらがまたリポップしかねないな。」
俺はアイテムウィンドウを開いた後、消耗品タブの中から転移結晶を実体化させた。
「転移!ランウィル!」
この転移の感覚にも随分と慣れたものだ。
数秒の後、俺の身体はここ、32層支配者の間付近から跡形もなく消え去った。
これが今の自分。
プレイヤー名kisekiの最前線だ。
初投稿作品になります。
方向性も何もあったもんではありませんが、これから気の向くままに投稿して参ります。
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