第4詰 僕の恋
自分で書いててもつまらなくなってきたので、何か面白い話はないか考えてみた。自分が笑った出来事が面白い話なのか?でも、僕が笑ったからといってみんなも笑うような出来事である確信はない。万人が興味のある事が面白い話だろうか?、、、恋の話なんてどうだろう。みんな恋の話は例え他人の事だろうが少しは興味あるのではないか。
彼女と初めて会ったのは、高校の入学式の日だった。入学式が終わって自分のクラスの教室で、決められた席の隣の席に座ったのが彼女だった。首の後ろで束ねられた髪と、首筋を見た時、一瞬ドキッとした。
彼女は席に着くなり、僕の方を向き、私、○○○、よろしくね、と微笑んだ。初対面の相手に何の躊躇もなく笑いかけた彼女に、僕は焦って、お、おうとぶっきらぼうな返事をした。それに、彼女はニコッと表情で返事し、他の周りの席の奴らにも声をかける。
ちょろい俺はたったこれだけのやり取りで彼女が気になるようになってしまった。
一学期はこのままの席順だったので、隣の彼女とは結構しゃべるようになった。僕の友人も後ろの席だったので、彼女の席の後ろの女の子含めて4人で話すことも多かった。
彼女は明るく、よく笑う子で、僕や友人も調子に乗ってくだらない話をしたが、それでも話に乗ってくれて楽しかった。
こうして一学期中には、俺は完全に彼女の事が好きになっていた。4人で喋っている時、ふいに目が合うことが何度もあって、もしかしたら彼女も、、、と俺は思い始めていた。
そして、二学期。席替えがあって彼女とは離れた席になってしまった。と、同時に彼女のある噂を耳にする。花火大会で告白された先輩と付き合い始めたらしい。僕はこの噂を聞いた時、こう思った。
何で彼女も俺のことを好きかもとか思ってた?
夏休み遊ぶ約束すらしなかったのに。
ただ、近い席の奴らで喋ってただけなのに。
彼女は女子バレー部に入っていて、帰宅部の俺よりはるかに人との関わりがあるのに。噂の彼氏も男子バレー部らしいじゃないか!
あの性格と見た目でもてないはずはないのに。
何もアピールする事なく俺が彼女のほうから告白されるなんてそんな都合のいい話あるか。
俺はなんてつまらない奴なんだ。
噂を聞いて、くそっ!、と思った。
こうして、噂の真偽を確かめることすらせず、
僕は彼女をあきらめた。