十三人参上 終
軍本部にて。
「着いたな」
「ああ、着いたな」
ペガサスとサンガーのそんな会話があった。
「サラマンダー」
「何だい、サンガーさん」
「飛竜は快適だったぜ。次からも宜しくな」
事実上フェニックスの解雇である。すると、サラマンダーが、
「じゃぁ、ファーストクラス料金払ってね」
「え゛」
「当たり前じゃん、何でタダ働きしなきゃいけないんだよ。格安航空会社はあるかもしれないけど、無料航空会社なんて無いんだよ」
十歳年上から金をせびるガキんちょ…いや、サラマンダーの方が千数百歳ほど上だった。
「ほら、早く」
…金、という点ではフェニックスの方が性格は良いかもしれない。
読者の皆さん、フェニックスが金に関与したシーンが思い浮かぶだろうか?
いや、無いだろう。
もしあるなら、是非作者にメッセージを送ってほしい。
八年以内に訂正する。
え、何でそんなに期間が長いかって?
何故なら、地上界の人間の八年とは天上界の人間の約一ヶ月程度(体感として。実際は八年しっかりと経っている)だ。
え、作者は天上界の人間かって?
残念だが、作者は三界どこの人間でもない。
本を書く人間なら誰もが住んでいる『作者界』に住んでいるのだ。
あの人気時代小説「今宵十五夜也」を書いた嬲木 雨曇も、
あの何百年も不動の人気を誇るファンタジー「ラストオブヒーローズ」を書いた右大軍ロビンも、
この作者界出身である(情報:雑誌ノベルヒットランキングの最新号)。
話を戻そう。
たかがフェニックスの金に対する性格を紹介するためだけにこんな情報を記載してしまった。
忘れた人のために少し前の会話から書き始めよう。
「当たり前じゃん、何でタダ働きしなきゃいけないんだよ。格安航空会社はあるかもしれないけど、無料航空会社なんて無いんだよ。ほら、早く」
「く、くそぅ…。これなら少し揺れてもフェニックスの方が…」
サンガーが財布から万札を数枚出したその時だった。
「サラマンダー、何してんの?」
「あ、フェニックス君…。」
サンガーに神(水神)の使いである不死鳥(英名:フェニックス)が舞い降りた。
サラマンダーが、やべ、という様な顔をする。
「助けてくれ、フェニックス!サラマンダーに金せびられてんだ!」
サンガーが天使とも言えるフェニックスに対しお願いしている。
だが、神は全てお見通しだ。
サンガーがサラマンダーに乗っている間、(フェニックスよりサラマンダーの方が良いなぁ。フェニックスが覇者隊辞めて良かったかも)と思っていた事も。
だから、ただ頼まれただけではフェニックスは動じない。
「はァ!?ナニ年下にせびられてんだよ!いや、サラマンダーの方が年上かッ!ギャハハハハハハハ!」
「頼む、助けてくれよぉ!」
「…………。」
フェニックスが一瞬黙る。
そして、
「おい、サラマンダー!お前、サンガーから金取るつもりか?」
「そ…それは…」
サラマンダーが黙ったので、サンガーが代わりに答えた。
「ああ、ファーストクラス料金とか言ってな!」
「ファーストクラス料金だと…」
フェニックスの目付きがどんどん険しくなる。
サラマンダーの顔が汗だくになる。
サンガーの顔がにっこり笑う。
「ふざけんなッ!」
「ひぃい!ごめ…」
「ふっざけんなッ!テメエエエエエ!」
サラマンダーに謝らせる隙を与えない。
そして、最後に一喝、
「ふざけんなサンガー!サラマンダーにファーストクラス料金払うなら俺にエコノミークラス料金払いやがれッ!」
「…………?」
「…え?」
……………………?
作者も良く状態を掴めていない。
えー、整理すると、フェニックスは、サラマンダーがファーストクラス料金を貰うなら自分に今までの分をエコノミーとして払え、と言っているらしい。
「そ、そんな!」
「さっさと払え!」
「そうだそーだ!」
勇猛果敢な少年二人のお陰で、サンガーの財布はダイエットに成功した。
そして、副長兼補佐がやって来た。
「お帰りなさいませ、フェニックス殿」
十三人参上、終了。




