二百年大修行 フェニックス編(一)
道場に帰るとリュウがいた。
「リュウ、お前は道場辞めたとか言ってたけどこれからどうするんだ?」
「僕は君についていくよ。君と同じ修行をしてみたい」
「それじゃ、俺は越えらんねーだろ」
「僕の目標は君を倒すことじゃない。君の次に凄い戦士になることだ」
「微妙な夢だな」
「…………。」
どんぶりどじょうにフェニックスは話し出した。
「なあ、パックンチが前に波動以上のものが学べると言ってたよな?それを学びたいんだが」
「ああ、それは魔術というものだ」
「技とは違うのか?」
「ああ。技は火、水、草、雷、土の五つの体系がある。だが、魔術には体系は二つ。光と闇だ」
「何が違う」
「まず、光は天上界で形成された体系。闇は地下界で形成された体系だ。光は龍や魔王を呼び出して戦わせ、闇は自分で戦う。場合によって得手不得手はあるが、基本どちらかが有利、ということは無い」
「光は召喚とは違うのか?あと、天上界の人間が闇の体系を使って体にダメージがある、とかは?」
「召喚などとはレベルが違う。二つ目は、無い。」
「両方って事は出来ないのか?」
「…出来る人はいるが…。もう一度パックンチに計ってもらえ」
「解った」
すると、リュウが切り出した。
「コーチ、僕も魔術を学んでみたいです!」
「ならば、お前も計ってもらうと良い」
結果。
フェニックスは一体系なら余裕だが二つは不可能。
リュウは一つでも出来ない。ただ…
「ただ、一残四捨をすればもしかしたら出来るようになるかもしれないンチ!」
「一残四捨?」
どんぶりどじょうが答える。
「リュウ、お前はフェニックスと違って全ての体系の技を使える。それを一つに絞れば出来る可能性が生まれる。ただ、あくまで可能性で、一残四捨しても魔術を使えない可能性もある。やるかどうかはお前が決めろ」
リュウが考え込む。
「…やります」
フェニックスが驚いた。
「良いのか?失敗しても後戻りできないんだぞ!?」
「その時は残った体系を極めるよ」
どんぶりどじょうが質問を続けた。
「何の体系を残す」
「火です」
迷いなく即答。
「ならば、今から一残四捨を行う」
どんぶりどじょうが大きく息を吸うと、リュウから五つの光の小さい玉が出てきた。赤、青、緑、黄、茶。その内四つー青、緑、黄、茶が消えて、赤がリュウの体に戻った。
「さあ、もう一度計るンチ!」
結果は、ダメだった。火だけにしても魔術を覚えるにはリュウは器が小さかった。
「残念だったな」
フェニックスが慰める。
「いいんだ、これからは言った通り火を極めるよ」
「フェニックスさん」
タマが話しかけてきた。
「まだいたのか」
「当たり前です、ツルギがペガサスさんについていくように、私はフェニックスさんについていきます。それより、どちらの体系を学ぶのですか?」
「光」
「…………。」
「どうした」
「普通の人は闇を学びたがります…現に私達三人もそうでしたし、何故光に?」
「逆に何故闇を学びたいのか知りたい。」
「技が壮大だからではないでしょうか」
フェニックスが首をかしげる。
「どんぶりどじょうは基本的には変わりないと…」
「それは、あなたやコーチの様に冷静に考えられる人なら…」
「フェニックス、こっちに来い」
どんぶりどじょうに呼ばれた。
「タマ、一つお願いがある。リュウを鍛えてやってくれ」
「何故」
「どんぶりどじょうを俺に集中させたいから」
「解りました」
フェニックスが走っていった。
「本当は違うんでしょうね…。」
「まず、光闇両方の技を紹介する。」
光体系
降臨:モンスターを呼び出して戦わせる。七番目の強さ。
士臨:戦士を呼び出す。六番目の強さ。
王臨:王を呼び出す。五番目の強さ。
魔臨:魔人を呼び出す。四番目の強さ。
龍臨:龍を呼び出す。三番目の強さ。
神臨:神を呼び出す。二番目の強さ。
冥臨:冥土の妖怪を呼び出す。触れた者が味方なら死んでいても全快し、敵なら即死。一番目の強さ。
闇体系
一残四捨:説明割愛
呪い火:触れた者は永遠に苦しみを味わう。ただ、防がれると敵自分に死の縁が結ばれる。
生命授与:自分の命を削って人に命を授ける。自分、相手が死んでいても可能。相手はその後体の中に自分の命が入っていることになる。
ロストメモリー:相手の記憶を消す。
決死輪:触れた相手は必ず死ぬ。
進化呪文:力、技を持っていないものにそれを与える。
「闇、少ないね」
「ああ。だが、個々の力が強い。どちらを学ぶ?」
「光」
「解った。準備をしよう」
「闇の魔術は学ぶのに百五十年から二百年かかる。光の場合は更に長く、百八十年から二百五十年。お前は百九十年で学ばなければならん」
「解ってる。だから、早速始めよう」




