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五人の覇者  作者: コウモリ
二百年大修行
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二百年大修行 波動編(三)

「どんな…テストだ?」

「次のテストは道場でする。帰るぞ」






帰ると、ツルギとタマがやって来た。

「テストはどうでしたか?」

「まだ終わってない」

「え?」

「これから最後のテストがある」






「想像力のテストは、私が考えたことを文章に表してもらう」

「え?」

「だから、私の考えていることを文章に表してもらうと言っているんだ」

「どうやって?」

「さぁ」

それ以上の事はどんぶりどじょうは説明しなかった。作文用紙を配る。四百字詰め二枚。

「始め」






始まってから三十分、どんぶりどじょうはずっと瞑想をしていた。一ミリも動かないのだから、考えていることなど解るはずもない。そして、そのまま一時間が過ぎた。

「終わり」

「はいィ!?」

「さぁ、作文タイムだ。一時間以内にその作文用紙に書け。始め」






「終わり」

どんぶりどじょうは六人の用紙を眺めた。






発表作品:フェニックスの作文


どんぶりどじょうはずっと瞑想していた。これでは何も解るはずがない。だから、俺はそこを裏手にとって彼は、

「今頃奴等は苦しんでいる」

と、考えていると踏んだ。

しかし、それを見越しているかもしれない。そう考えると自分の考えが罠に引っ掛かっているように思えた。次に、このように俺は考えた。

どんな弟であろうとどんぶりうなぎの弟には変わりはない。だから、きっと先の事など見通している。つまり、どんぶりうなぎが俺達に言ったことに何かあるかもしれない。しかも、瞑想して行うようなことだ。かなり凄いこと。よって、

「地下界が動きを見せている。もうすぐ極界戦争が起きるかもしれない。」

と考えていると思う。付け加えるなら、

「こいつら六人には力を身に付けてもらい、その時に戦ってもらわねばならん」

と考えていると思う。






「ははっ、全員面白いことを書いているな!ただ、フェニックスは少し文字数が少ないようだが…」

「じゃかぁしい、俺はこういうのは苦手なんだよ」

「さて、発表するか」

全員に緊張が走る。

「全体を通しての合格者は…全員!」

「え゛」

「はい?」

「うーん…。」

「何だお前ら、合格して嬉しくないのか」

「いや、嬉しくない訳じゃないけど、一人ぐらい落として涙を流させるのが一般的なテストというものだろう」

「仕方無いだろ、テストなんて最初の力の奴以外あったも無いも同然なんだから」

「はい…?」

「力さえあれば気合と想像力なんて修行すればどうにかなる。遊びと言っても過言じゃない。そうそう、二番目に使った絵は気合を出す以外にもう一つ割る方法があるんだ。あの絵に結界を描くとーって、待て待て…」

「ギガフレア!」

「ギガウェーブ!」

「ギガポイズン!」

「ギガサンダー!」

「ギガクラック!」

「ドラゴンフレア!」






いい感じに焼けてそうでかなり不味そうな外観のどんぶりどじょうがペガサスに不平を言った。

「他の五人のはまだマシだけど、君のギガポイズンは洒落にならないからね?避けなかったら死んでたよ?」

「文句言うなら自分が謝らんか」

「ちっ、まぁ、早速波動を教えるぞ。まずは基礎からだ」

「やっと始まるね…。」

外野のツルギ、タマが待ちくたびれたように言った。






「大きく息を吸って、長く吐け」

すぅーー、はぁーーー…。

「もう一度」

すぅーー、はぁーーー…。

「次は、目を閉じてその動作をしながら前に波動が出来たように想像しろ」

すぅーー、はぁーーー…。

早速、フェニックスとサンガーの前方では吐息よりも強い風が吹いた。

「物分かりがいいな、フェニックス、サンガーは。もう一度」

すぅーー、はぁーーー…。

今度は、クラーケン、リュウも出来た。

「もう一度」

すぅーー、はぁーーー…。

ペガサス、バジリスクも出来た。

「次の段階に移る。次は、目を開けたまま、かつ息を吸わずに吐くだけでやれ」

はぁーー…。

誰も出来ない。

「出来るまで何度でも」

はぁーー…。

はぁーー…。

はぁーー…。

はぁーー…。

はぁーー…。

はぁーー…。






一年後。

はぁーー…。

「出来た!」

「俺も!」

リュウとフェニックスが成功する。

立て続けに四人とも出来る。

「普通の奴はこれに二年はかけるんだが、大した奴だな…。じゃあ、次にいくぞ。次は、実際に声を付けてやれまずは『あ』からだ」

あーー…。

「出来ないな。ここに、気合が必要になる。上達すれば気合など要らないが、開始初期の人間は気合が無いと出来ない。気合のいれ方はこうだ。」

ああーっ!

ドォーン…。

「す…すげぇ…。」

「気合のいれ方は幾つかあるが、この方法が一番やり易い。やってみろ」

ああーっ!

ああーっ!

あああああああああああああーーっ!!






(略):彼らは十年に及ぶキツイ修行(この後マジでキツくなりました)に耐え、波動をマスター。その気になればあの人のように瞬きで波動を出せるようになった。

この小説を読んでマジで波動を学ぼうとした人へ。大事なのは力と気合と想像力。それさえ忘れなければきっと波動は出る。






「さて、これで修行は終わった。ご苦労だった。解散!」


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