草の覇者、草馬ペガサス
「あんた誰だ…?」
「名前を聞くときゃあ、自分から名乗んな!」
「す、すまん。俺は火の覇者、火鳥フェニックス!」
「そして俺は雷の覇者、雷虎サンガー!」
「おお、覇者が二人も集まっていたのか!俺様は草の覇者、草馬ペガサス!」
そう言うと、ペガサスは背中から葉でできた羽を出して見せた。
「あ…。羽…。」
「これは俺様の力、『草葉の羽』だ。」
「へぇ…。それで、この液体は?」
「毒」
「なっ…。」
「俺の技、ギガポイズンだ。飲んだら死ぬぞ」
「マジか…俺サンガーに毒味させようとしてたよ…。」
「おい」
「メガポイズン!」
「え?」
ズドーン…。
「敵かよ!」
「危なかったなフェニックス!」
「ああ、すまない」
「安心するな、メガポイズンは麻痺用だ、効いて十分だぞ!」
「奥義いくぞ!」
三人が地面に円を描く。そして、その中に火、草、雷と描いた。
「火草雷奥義!」
『主は草の覇者』
「出でよ草馬!」
翼のはえた白馬が現れ、敵に毒を吐いた。
「何か、ペガサスが毒を吐くってイメージ壊れるな…。」
「だまらっしゃい、サンガー君」
「…………。」
「死んだか?」
「ああ、やった。」
「何でギガポイズンを使わなかったんだ?」
フェニックスが聞いた。
「ギガポイズンは飲んだものを殺す。だから仲間の近くで無闇に使えないんだ。因みに、メガポイズンはポイズンと同じ効能だが、コントロールが出来る。」
「仲間思いなんだな、『俺様』だけど」
「だまらっしゃい、サンガー君」
「…………。」
「もう一つの技はなんなんだ、ペガサス?」
「ビートルアタック」
「どんなのだよ?」
「見たいか?」
「ああ、やるならサンガーに…」
「ビートルアタック!」
「ふぐああああああああああああ!」
「テラフレアぶちかましたろかペガサス…。」
「いんや〜、めんごめんご!標的がお前とサンガーしか…」
「だからサンガーにやれって言ったんでしょ!」
「フェニックス、俺を的に…。」
「さっき俺にエレクトローダー当てた罰じゃい!」
「見事にその罰が自分に下ったなー」
「じゃかぁしい、ペガサス!貴様が下したんじゃッ!大体何でビートルアタックはただのアッパーなんだよ!」
「あっはっは、これは愉快。」
「黙れー!俺にとっちゃ全然愉快じゃね…」
ガンッ!
「フェニックス!」
「ぐ…貴様…俺が核まで燃やしたはずじゃ…。」
「俺はその弟だッ!我が名は…」
ガスッ!
「だからモンスターの分際で名乗ってんじゃねえよ!」
「こ…姑息な…」
「黙れ。悪いが俺は今最ッ高に機嫌悪いぜ…!」
そう言って、結界を描くと、
「テラフレア!」
「なっ!フェニックスが言ってたテラフレアってこんなに強いのか…!」
森のざわめきにペガサスが圧倒される。
「ああ、相当だろ。」
サンガーもそう言ったものの、前の時とは比べ物にならない力を感じてい
た。
「機嫌が悪いとここまでになるか…。人気の無い森で良かったな…。」
「ぐっ、兄を倒した炎、ここまでとは…!もう駄目だッ!ぐ、ぐああああああああああ!」
モンスターが蒸発する。すかさずフェニックスが核を掴み、
「テラフレア!」
核も燃え尽きた。
「いやあ、テラフレアすげえな…!」
ペガサスが素直に称賛する。
「ああ。前よりも更に力が上がっていたぞ!」
サンガーも乗ってくる。だが、
「それほどでもねえよ…。」
当の本人はあまり喜んでいないようだった。
「なんなんだ、このつっかえる感じは…!」
ガンッ!
「フェニックス!」
「ぐっ、やっぱしまだ生きていたか…!」
「どういうことだ、フェニックス?」
サンガーが聞いてくる。
「倒しても何かつっかえてたんだよ…。兄よりもハイテクらしいな、どういう仕組みだ?」
「俺の核を形作る水一滴一滴に再構成プログラムが仕掛けてあるのさ!蒸発しても意味ねえ、お前の負けだ、フェニ…」
「ビートルアタック!」
「エレクトローダー!」
「ぎにゃあああああああああああああ!」
「バーカ、再構成プログラムは所詮フェニックス対策だろォが!フェニックスに勝てねえなら俺様達がやるまで!」
ガスッ、グチョッ、ガンガン…。
「ペガサス、サンガー…。お前ら結構酷いな…。必殺技を使わず蹴りとは…。」
「ぐっ、ぐはっ、がはっ、……………………。」
「死んだな」
「ああ、死んだな」
「…………。」
二人の覇者が呟くなか、一人の覇者が無言で佇んでいた。
「残る覇者は水と土の二人か、サンガー、ペガサス!」
「ああ、早いとこ会っておきたいな…。」
すると、茂みの中からゴツい男が出てきた。
「あ、もしかしてあんた覇者じゃない?」
「…………。」
男は無言で近づいてくる。
「フェニックス、ちょっとヤバイやつじゃないか?」
「かもな…。」