雷の覇者、雷虎サンガー
「メガサンダー!」
ガァァアァン…。
森の中から黄色い閃光が男の手から出て、茸のモンスターをいい感じに焼いていく。いい匂いはするのだが、倒れる気配はない。茸はバフンバフンと毒の胞子を頭から出している。男はそれから逃げながら雷を出していた。
「拉致があかんな…。ギガサンダーッ!」
先程のものとは比べられない量の光が発せられた。
ズゥーン…。
「死んだか…。」
安心しきっていると、背後から耳障りなバッサバッサという音が聞こえた。
ジャキッ!
彼の力、「雷の爪牙」だ。
「誰だ?」
「俺は火の覇者、火鳥フェニックス!オマエは?」
「俺は雷の覇者、雷虎サンガー!」
「宜しくなっ!」
ズゥーン…。ズゥーン…。
「何だぁ?」
「聞き覚えがあるぜ…。茸のモンスターだ。しかもこの音、一匹じゃない。」
「マジか…。」
目の前から茸が現れた。五匹。
「どうする、フェニックス?」
「なあ、奥義かけてみようぜ?」
「なるほどな。試してみるか…。行くぞッ!」
フェニックスは火で、サンガーは雷で地面に円を描く。そして、その中に火、雷と描いた。
「火雷奥義!」
『主は雷の覇者』
「俺かッ!出でよ雷虎!!」
茸の数倍の大きさの虎が現れた。茸に向かって大量の雷を浴びせる。茸達は一瞬で消えた。
「す、すごい…。一匹でも苦戦したのに…。」
「体力の消耗は激しいな…。どんぶりうなぎの言う通りだ…。」
「フェニックス、やはりお前もどんぶりうなぎに会ったのか?」
「ああ。気はあいそーにないがな!」
そう言うとフェニックスはハハッ、と笑った。
「お前…笑ってんなー」
「ああ。どんぶりうなぎに笑えって言われたからな!お前もしかめっ面してないでもっと笑えよ!」
「性に会わん」
「なあ…やっぱしお前も前は退屈だったのか?」
「まあな。」
「生まれ変わったんだし、まあ顔は変わってないけど…笑おうや!俺達は世界をおもし」
ガンッ!
「フェニックス!!」
「やぁ〜っと会えたねフェニックスゥ〜!」
「誰だ貴様ッ!」
「あれ、お前は雷の覇者か?まあいい、俺の狙いは火の覇者だけだからな。あ、名前ね名前」
そう言うとモンスターは片膝を地面につき、
「俺の名前はッ」
ガスッ!
「モンスターの分際で名乗ってんじゃねえよ!テメエはさっき蒸発したんじゃねえのか?」
「グッ、名乗る途中で殴るとは卑怯なやつめフェニックス…。」
「うっせぇ!」
「大丈夫かフェニックス!もう一度奥義出すか?」
「いや…。これは俺とあいつのタイマンだ。二人でやらせてくれ」
フェニックスが結界を張る。
「本気でいくぜ、ギガウェーブ!」
「テラフレア!」
赤が青を圧倒している。
「ケッ、また負けてんじゃねえかよぉ、モンスターがァ!」
モンスターは蒸発した。
「やったな、フェニックス!」
「いやまだだ…。」
やつがどうやって復活するかを確かめなくてはならない。
「あれは…。核か?」
モンスターがいた場所に銀色の正四面体が浮いている。
「ちいッ!」
フェニックスがそれを手にした瞬間にーーモンスターが復活した。
「んなぁ!?」
復活した方もされた方も驚きのあまり発狂する。モンスターの中に…フェニックスの腕が入っているのだ。
「うぅ…。気持ちワリい…。テラフレア!」
「がッ、魂がァ、ああアアああアアああ!!」
今度こそモンスターは燃え尽きた。
結界を消すと、サンガーがよってきた。
「大丈夫か?」
「手ェ洗いてぇ…。気持ちワリい…。」
「雷で神経麻痺させてやろうか?」
「いやだ」
「なぁ…。テラフレアって何だよ」
「え?ギガフレアよりも強いやつだけど?」
「俺は知らないぞ?」
「お前の技は?」
「サンダー、メガサンダー、ギガサンダー、エレクトローダー」
「最後のエレクトローダーって何だよ」
「見せてやろうか?」
「ああ」
「エレクトローダーッ!」
サンガーの右手から左手に電流が流れる。それをフェニックスの頭に…
「ぎにゃああああああああああああああ」
「何しとんじゃボケェ…。」
「エレクトローダー」
「俺にやれとは言ってねー!!」
「ここ森だし、お前ぐらいしか標的が…。」
「くっ、まあいい、技の概要はわかった。右手から左手に電流が流れてるんだな?」
「そう」
「それを的に当てると」
「そう」
「いいなあ、テクニック技じゃねえか。俺なんか強弱違うだけのワンパターンだぜ…。」
「俺はお前のやつの方がいいと思うけどな。さっきの見ててかなり圧倒されたし。知らないと思うけど、あの技かましてる時、森がざわめいていたぞ。」
「マジかよ。すげえなテラフレア…。ん、なんだこの液体…。」
フェニックスが触ろうとすると、
「待て!」
「どうしたサンガー?」
「いや、俺は何も?」
「誰だ…?」
すると、前から長身の男が現れた。
「お、お前は?」