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五人の覇者  作者: コウモリ
エピローグ
141/147

水の覇者、水鞘クラーケン

エピローグ。五人の覇者の戦い

クラーケンは目を覚ました。

辺りが暗い。夜だった。

「ここは…?」

砂浜だった。

静かな海が広がる。

「僕は一体…」

クラーケンには、自分から黒い煙が出てきた事までしか記憶がなかった。

だが、火の呪い神の登場、四人に種を植え付けた、などという話を信じるなら自分の体は今水の呪い神になっていると考えるのが妥当だった。

「ここはどこなんだ…」

『いわば私の植木ばちだ』

どこからか声が聞こえた。

「誰ですか…」

『私は水の呪い神。貴様は土として私を養っていたのだ』

「出てきてください」

『残念だが、今は外の方で忙しい。貴様の相手などしておれん』

「…………。」クラーケンは、この砂浜を少し歩いてみることにした。

だが、その砂浜はどこまでも続いている様で続いていなかった。

「痛」

突如、頭が何かにぶつかった。

「見えない…壁がある…?」

違う。

壁が見えないのではなく、壁に向こうの絵が描いてあったのだった。

それは本物と寸分の違いもない。

「辿ってみましょうか」

壁に手を当てて、歩いていく。

それはある所で折れた。

「曲がり角…長方形なのでしょうか」

進んでいくと、海の前まで来た。

だが、クラーケンは海の中に入った。

深くなると泳ぐ。

さすがは水の覇者、泳ぎは達者だ。

そして、海の中でも曲がり角が来る。

海さえも向こうは絵だった。

そして、一周した。

「だいたいどの辺も50メートル…2500平方メートルぐらいの正方形だ…」

クラーケンは上を見上げた。

「上はどうなっているんでしょうか…?」

クラーケンは飛ぶ方法を持っていない。

だが、クラーケンは諦めなかった。

「アイスキャノン!」

アイスキャノンを飛ばしてから、どこかでぶつかるまでを測定するのだ。

…ドォーン…。

「やはり上も50メートルぐらい…立方体になっているんだ…!」

「その通りだ」

「誰ですかッ!」

クラーケンが後ろを向くと、男がいた。

「私が水の呪い神。君を乗っ取っている者だ」

「あなたが…」

「君が天井に技をぶち当ててくれたおかげでね…無視できない状況になった。君にはここで死んでもらうよ」

「外の状況を教えてください」

「まぁ…良いだろう。君も知っているように、四人は我々と化した。また、サラマンダーとやらは火の呪い神に吸収され、火の呪い神は完全体になった」

「…!」

「そして、フェニックスと地下界王が我々を封印しようと躍起になっている」

「え…どうして地下界王が?」

「我々が地下界を潰そうとしたのでね…怒りを買ってしまったのだよ。まぁ、それでも勝つのは不可能に等しいが」

「…………。」

「さて、質問は以上か?殺させて貰うぞ」

クラーケンが身構える。

「消陸禁水之踊!」

クラーケンが間一髪で飛び退く。

すると、砂浜が半分海に飲み込まれた。

「フェニックス同様…瞬発力はあるんだね…」

「勿論ですよ」

「君に当たるまで何度でも攻撃しよう。消陸禁水之踊!」

「くっ…!」

上手い具合に避けた。

だが、砂浜は全て消え、海だけの世界となった。

二人が浅瀬に行く。

「海の中は上手く動けないだろう…消陸禁水之踊!」

クラーケンが海に飛び込んだ。

「海に潜られたら…敵が見えず、威力が弱くなるのだが…まぁいい。消陸禁水之踊!」

クラーケンのいる海に青い線が入っていく。

海の中でそれは爆発した。

波紋に押され、クラーケンは壁に激突した。

「ごぼっ…!」

その爆発を確認した水の呪い神は、笑って言った。

「なるほど、海の中は逆に命中率が高くなるのか…」

クラーケンの海を見据える。

「消陸…」

「ウォーターフォール!」

「いつの間に!?」

クラーケンが、水の呪い神を捕まえて天井付近まで飛び上がる。

そして、海の中に突っ込んだ。

クラーケンが水の呪い神の沈んでいる場所から離れる。

出てきた水の呪い神は、血だらけだった。

「貴様…絶対に許さんぞ…」

クラーケンを殺気が襲った。

冷や汗が出る。

「一発で殺してやる…消陸禁水之踊!」

「アイスキャノン!」

青い線に立ちはだかった氷の大砲弾は、一瞬で砕け散った。

クラーケンが右に逃げようとしたが、一足遅かった。

「ぐはあぁ!」

「氷の玉が少しは威力を弱めたようだが…まともにくらったな…」

クラーケンは向こうの壁まで吹っ飛んだ。

壁に亀裂が走り、紅く染まる。

口からも血が出てきた。

「ぐふぅ…」

「ほう…五禁をくらっても死なないとは…。さすがは水の覇者と名乗るだけはあるな。だが、それも終わりだ。一発で殺すという約束は果たせなかったが、まぁ殺せるなら良いだろう…。消陸禁水之踊!」

その線は迷いなくクラーケンに向かった。

だが、当たりはしなかった。

「ハァ…ハァ…」

「何故…立ち上がるのだ。何故…そこまでやられていても立ち上がる力が残っているのだ!」

水の呪い神が怒鳴る。

その声には、怒りだけでなく恐怖も混ざっているようだった。

「フェニックス君がいるなら…希望はまだある!」

「あんなガキと地下界王に何が出来る!所詮奴等も人間!神である我々には叶わん!」

「そうだとしても…仲間が戦っているのに勝手に諦めるのは恥…。死ぬ前にそんなものを残したくない…!」

「だったら誇りを持ったまま死ね!消陸…」

「ギガウェーブ!」

「ぐぶぅ…!」

「四対の手!」

クラーケンの手が八本になる。

「四倍の…ギガウェーブ!」

「がぅあはっ…!」

水の呪い神は海に沈んだ。

「やった…?」

だが、敵はしぶとかった。

「クラーケン…貴様ァ…!絶対に許さん!」


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