呪い神 終
天上界にて。
パックンチは既に五神を引き連れ、天上界王に皆の召集をさせているところだった。
サイゴも連れてこーい!!
「今…フェニックスの声が…」
「奇遇ですね火神、私もです」
「パックンチ、お前宛じゃないのか?」
「その可能性が高い…というより、確実にそうだンチ…。サイゴも連れてこいって、どういう事だンチ…?」
天上界王の号令が終わった。
「兵達は各自で来る。私達も向かおう」
「解ったンチ。二界道でサイゴ引っ捕まえてさっさとフェニックスのトコに戻るンチ」
その二界道にて。
サイゴが座っていた。
ドドドドドド…。
「騒がしいな…天上界から敵が来たか?」
来たのはパックンチ達だった。
「パックンチ、サイゴがいるぞ!」
「なっ、何だァ?」
「あー、サイゴ!ついてくるンチ!」
サイゴが答える暇もなく、天上界王に髪の毛を引っ張られていかれた。
「いだだだだだだだだだだだだ!」
再び、地下界にて。
「なぁ、地下界王」
「どうした」
「二世界の皆が来たら五人を封印できると思うか?」
「厳しいだろうな」
「…………。」
「だから、中で戦っている五人の覇者には勝負に勝って貰わねばならん」
「…?」
「覇者が勝ち、一時的にでも体を呪い神から取り返したら、封印は容易く出来るだろう」
「中の五人に懸かってるって訳か…」
ヒュンッ、ズドーン…。
「帰ってきたンチ!」
「ああ、パックンチ!五神に天上界王、浪士組にサイゴ…少なくない?」
「フェニックス、他の奴等は後から来るぞ」
「そうか天上界王…って、どんぶりどじょうとジーム、他の幹部も来てんじゃねーか!」
「フェニックス殿、天上界王に追い付きました」
すると、サイゴが地下界王に話した。
「これはどういうことですか?」
「うむ…………。」
地下界王は、起きた全ての事を話した。
「そんな事が…」
「五人の覇者が…」
フェニックスがその後を言った。
「サイゴは封印出来るんだよな?あと出来る奴はいるのか?」
天上界王と五神が手を挙げる。
「よし、その八人は封印、残りは力の供給に回るぞ!」
すると、突如周りから歓声が上がった。
「何だ…?」
百億を楽に越すような数の人々がフェニックス達を応援しているのだ。
その数はフェニックス達からは確認できていない。
「この人達は誰なんだ…?」
どんぶりどじょうが答えた。
「天上界軍、というより天上界の人々。地上界で体力に自信がある者、地下界で騒ぎを嗅ぎ付けた人達。皆私達のためにいるのだ」
すると、フェニックスの眼から涙が溢れた。
「泣くのは早いぞ、フェニックス」
「え…?ああ、泣いてた…。すまん」
フェニックスは腕で涙を拭き、それ以上出ようとする涙をこらえ、言った。
「サラマンダー、クラーケン、ペガサス、サンガー、バジリスク。全てはお前らに懸かっているぞ…!」
呪い神、終了。