全世界戦争 終
「フン、戦争?何の話だ」
「…?」
「盾が無くなって気でも狂ったか…?」
「私の気は狂っておらん。そもそも、これを戦争に仕立てあげたのはお前達天上界ではないか」
「今更何を…!軍幹部を裏切らせ、先に攻めてきたのは地下界じゃねーか!」
「それは、お前達をこの宮殿に呼び込む『種』だ」
「種…?」
すると、地下界王の口調が一転、敬語を使い出した。
「準備は整いました。お越しくださいませ」
『うむ』
「だっ、誰だ…?」
「貴様らには想像つかんだろう。一度も地下界を出た事の無いお方だからな」
「地下界王が敬語を使うって事は…それ以上の身分って事ですよね…?」
「王より上の奴なんていたのか…?」
どこに誰がいるのかと六人は周りを見る。
だが、そこには半壊した宮殿しかない。
だが、宮殿を見たことで解った事もあった。
そこは既に宮殿とは言えない。
周りの陸が見え、空も見えるセットのような場所だった。
そして、その空から声の主は舞い降りてきた。
「お越しくださいましたか、火の呪い神様」
「ひの…のろいがみ…?」
「地下界王、この宮殿の様はなんだ」
「すみません。防御が不完全だった故、半壊してしまいました。事が終わればすぐに作り直します」
地下界王に指図する男。
天上界王に指図できるのは五神だけだった。
この男も神だった。
だが、ただの神ではない。
火の呪い神。
全世界戦争、終了。