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五人の覇者  作者: コウモリ
全世界戦争
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全世界戦争(四)

「地下界王…!」

「二界道、宮殿とここまで良く来る事が出来たな。称えてやろう」

「ヘナチョコばっかで出来た団体じゃねーんだ…各体系ナンバーワンの覇者隊だぜ」

ペガサスが言う。

だが、地下界王は鼻で笑った。

「フン。各体系でナンバーワンとは弱気な事を言うものだ」

「はァ?弱気だァ?」

「そうだろう?誰にでも勝てる、という保証が無いからお前は各体系、という言葉を加えるのだ」

「ナメた事言いやがって…」

「抑えろペガサス!」

「バジリスク…」

地下界王が指を鳴らした。

「まぁ、いずれにせよお前達はここまで来た。それを祝って歓迎パーティーを開こうではないか」

五人が身構える。

「おやおや、私はパーティーをすると言っているのだ。今から来るのは貴様らの敵ではない。食事だ」

地下界王の言う通り、真ん中の部屋に現れたのは食事だった。

かなり豪勢と言えよう。

ワインやブランデー、シャンパンにカクテル。

ビールに発泡酒、ノンアルコール。

日本酒、焼酎も熱いの冷たいの全揃い。

「えーと、これは未成年である僕への嫌がらせかな?」

「なぁなぁ、ウイスキーもあるぜ」

「そーゆー問題じゃないよ」

すると、サラマンダーに地下界王が救いの手を差し伸べた。

「ウコンあるぞ」

「飲み物じゃないよ」

「ウコン茶にすればいい」

「そんなモノ飲みたくない」

「でも…私が用意したので残りはドクターペッパーぐらいしか…」

「先に言えよ」

結果。

地下界王:赤ワイン

サラマンダー:ドクターペッパー

クラーケン:ブランデー

ペガサス:芋焼酎

サンガー:ウォッカ

バジリスク:生ビール

…覇者隊のチームワーク0である。

「乾杯!」

サンガー、ウォッカのイッキショー。

「おー!もう一杯やってやれサンガー!」

「んじゃ、次はワインボトルでイッちゃおーかなー?」

「やれやれー!」

「…………。」

サラマンダーが一人目を丸くしていた。

「大人は…炭酸飲料ボトルをイッキするのか?」

誤解である。

「おい地下界王、飯はねぇのか飯は」

地下界王が指を鳴らした。

「キャビア、イクラ、数の子に明太子。好きなものを食べろ」

全て魚卵である。

だが、その量は半端ではなかった。

「おい見ろサラマンダー」

「何だよペガサスさん」

「これが『米丼』だぜ」

ペガサスがサラマンダーに、ご飯しか見えない丼を見せた。

「こめどん?」

「ああ、キャビア6に対してご飯4、キャビアが下でご飯が上の米丼だ」

だから、米しか見えなかったのである。

「どうだ?」

「…楽しそうだね」

「ぎゃはははははははははははは」

完全にイッていた。

それを察知したサラマンダーは、自分だけは普通でいようと白ご飯をかき込みまくった。

すると、サラマンダーに地下界王が話しかけた。

「お前は…騒がんのだな」

「これがアンタの策略だったら困るからね」

「フッ…私もそのような方法でお前らを仕留めようとは思わんぞ」

「一応敵だからな」

サラマンダーは口を拭いた。

「なぁ、地下界王」

「なんだ」

「僕はこの地下界に来て…人々の悲しい顔を見た事がない」

「我が政治の賜物だな」

「僕は…解らなくなった」

「…?」

「地下界王、アンタは僕達から見れば悪人」

「まぁな。現にお前らの国を潰そうとしている」

「悪人だと、思っていた」

「…どういうことだ?」

「地下界に来て、アンタが解らなくなったんだ。来るまでは、極悪非道の悪人だと思っていた。だが、来てみれば人は笑っている。アンタが本当に悪人なのか解らなくなったんだ」

「…………。」

「なぁ、地下界王。アンタは…何なんだ?」

だが、地下界王はその問いには答えなかった。

代わりに、

「四人とも。我が宴はここまでだ。これから、お前達には死んでもらう」

酔っ払って騒いでいた四人の目付きが変わった。

「遂に…バトルか…」

ペガサスがクールな声で言う。

将来の夢が覇者の子供達よ、メリハリは大事だ。

「地下界王、相手は誰なんだ!?」

「フッ…」

現れたのは…

「マジかー!」

とサラマンダーが叫ぶほどの人だった。

現れたのは、

キング・ジャイアント。

部屋に入るかどうかぐらいの大きさだった。

キング・ジャイアントも、どんぶりうなぎと同じく地下界王の手下だったらしい。

「え、サラマンダー、この人知ってんの?」

「俺様達も初めて二界道通った時しか会わなかったぜ(過去の回想 二界道編【四】参照)!?」

サラマンダーが答える。

「だってこの人、普通に教科書載ってるよ!?極界戦争終わらせた偉人として、あのどんぶりうなぎと一緒に!」

「え゛」

すると、地下界王が一喝した。

「お前ら、騒いでないで戦え」

キング・ジャイアントが身構えた。

五人もそれに倣う。

「そういえば…僕達キング・ジャイアントさんが戦っているところ見た事ないですね…」

「確かに…」

「大丈夫、僕に任せて」

「サラマンダー?」

「キング・ジャイアントの戦っているところは、ビデオで見た事ある。彼は、肉弾戦しかしない」

「わしの専門だな…」

「一人で意気込むなバジリスク、全員で挑むぞ」

「おう」

キング・ジャイアントが拳を降り下ろす。

「行くぜ!」

「総力奥義!」


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