第二次極界戦争 終
さて、その頃五人は…と言いたい所だが、フェニックスのついでに、天上界、地上界に残った人々の近況を紹介しよう。
まず、天上界から。
『あー、天上界の全ての民に告ぐ。もうすぐ、二度目の極界戦争が起ころうとしている。だが、敵の策略…により、天上界軍は全滅してしまった。身近な人が亡くなり、辛い人も多いだろう。だが、ここは耐えて欲しい。今は、自分の身を守る事に専念して欲しいのだ。誇りある天上界の民なら、自分の身を自分で守る事も可能である。これ以上、誰一人として、死人を出すな。以上だ』
これが、六人が二界道に向かった直後に天上界王が発表したスピーチだ。
また、残った天上界軍(ジーム達幹部や、あの日たまたま休みだった兵士)は各都市に散らばった。
また、どんぶりどじょうなど、天上界軍には属していないが、腕の立つ者が二界道周辺に集まり、敵の襲来を待ち構えた。
次に、地上界だ。
前に言った通り、地上界には五神が向かった。
そうとは言え、地上界は広く、また無闇に五禁を使えない事から、危機的状況にあった。
だから、五神はその時が来るまで、各地方で人々に説得したのだった。
その時には、必ずこう言う。
二百年前、この世界に現れた五人の超人を知っているか。
と。
そして、地上界の民は必ずその五人を知っている。
何故なら、その五人、フェニックス、クラーケン、ペガサス、サンガー、バジリスクは、本当にあった伝説として、人々に語り継がれていたからだ。
五神は人々が信用してくれたのを見ると、こう続けた。
今、彼らはこの世界を守るために必死に戦っている。だから、あなた方も戦争に陥ったら、我々を手助けして欲しい。
と。
誰もが驚いた。戦争を経験したことの無い人が殆どだ。
だが、理解はすぐにされた。
本当に人々が伝説を信じていたかが解る。
また、五神の願いも叶った。
さすがに一つ返事とまでは行かなかったが、反対者が消えるまで、三日とかからなかった。
白黒な人生を生きていた彼らも、夢見ていたのだ。カラフルに輝く伝説の一員になる事を。
この瞬間、地上界は変わった。
そして、天上界と地上界のスムーズな意見交換のため、二界にエレベーターが建設された。
限られた人間だけが乗ることの出来る、天へと伸びるエレベーター。
それは、他の二つと名を同じにするため、こう呼ばれた。
二界道。
三界が三角形で結ばれたのだ。
もう、これは天上界と地上界の極界戦争ではない。
力は弱いが他の二界に根性は負けない地上界の加わった、
全世界戦争だ。
第二次極界戦争、終了。