裏喜利大会 終
「天上界王」
フェニックスが言った。
「俺達は今からどうするんだ」
「悠長な事はしておれん。地上界にも天上界にも地下界扉が出来てしまった今、いつ地下界が攻めてくるか解らん。すぐに軍を配備する」
「あの、天上界王」
ジームが言った。
「軍兵士は全滅しておりますが」
「あ゛」
天上界王の顎が外れる。
「大丈夫、大丈夫!皆で冥臨をすれば…」
「フェニックス、この中で冥臨が出来るのは限られている。しかも、体力的に考えて復活させられても十数人だ」
どんぶりどじょうが言う。
「…………。」
すると、水神が言った。
「我々だけでやるしかありませんね…」
地上界守護:フェニックス、覇者、ジーム
天上界守護:浪士組、残った天上界軍、天上界王
マルチ:五神
「こんなんで足りるかねぇ」
フェニックスがため息をつく。
「二界道以外からも来れることは来れるんだろ?」
「ああ」
天上界王が目を伏せる。
「では、こんなのはどうでしょう?」
水神が言った。
「敵が行動を起こす前に地下界を潰す」
「その前に敵が動き出したら?」
「だから、二界に我々五神だけを残す、とか」
すると、天上界王が言った。
「天上界の民は、自分の身を守ることは出来る。五神の皆さんは地上界を中心に守ってくだされ」
サラマンダーがまとめる。
「じゃあ、
天上界:天上界軍、浪士組
地上界:五神
地下界:フェニックス君、覇者
ってこと?」
「そーゆー事になりますね」
クラーケンが認めた。
「地下界侵攻か…」
バジリスクが呟く。
「地下界ってどんなんだろーな…」
だが、サンガーが咎めた。
「あまり考えない方が良い。あそこの暮らしは人を変えるそうだからな」
信じていた師が変わったのだ。
「…………。」
フェニックスが、
「ペガサス!いつまで落ち込んでんだ?」
「ツルギが妊娠してただなんて…」
「違うだろ」
「俺と言うフィアンセがいながらツルギという奴は…」
「だから、違うだろ」
「ツルギの事だからどうせ地下界の男だろ?」
「違うってば」
「この手でツルギと遊びやがった奴を殺…」
「滅世…」
「だぁぁあぁ!ちょっとふざけてただけだよ、ちょっと…」
そう言うがペガサスの眼には悲しみが籠っていた。
すると、サラマンダーが言った。
「で、天上界王」
「何だ」
「僕達が地下界攻めるのはいつだい?」
「うむ、明日だ」
「あし…明日!?」
「近藤さん、日付変わったぜー」
「え、明日ってどっちの明日?今日の明日?昨日の明日?」
深夜というのは難しいものだ。
「今日の明日」
「って事は、さっき日付が変わったから…」
「じゃあ、昨日の明日」
「勝手に変えないでよ、天上界王!えーと、さっき日付が変わったから、昨日の明日は…今日!?」
「そう」
「今日行くの?」
「できるだけ早い方が良いだろう」
「…………。」
今日、出陣。
裏喜利大会、終了。