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五人の覇者  作者: コウモリ
番外編
106/147

空舞う炎(八)

「何か…突破口は無いのか!?」

フェニックスが頭を抱える。

何か…何か…。


まぁ、若しお前らが俺を植物人間に出来ても、俺が死ななければ一連の魔法は解けないからな

地下界の暮らしは良い。天上界などとは比べ物にならない。そして、地下界の長達に、俺は説得された

兄さんまさか…私のノウマインドの間違いだとは思うが、魔法をかけたのは…地下界王じゃ無いだろうな?

ここは過去なんかじゃない!

お前は俺の掌で踊らされていたんだよ

実はね、担当の僕も知らないんだよ

いやぁ…。確かに有名だけど、そーゆー事は…。

え…?猛ちゃん?たっ、猛ちゃんが何で生きてるの?え?え?いっ、生きてるの?


ん…?

何でアイツがいるんだ?

「どんぶりどじょう!」

「どうした、フェニックス?」

「ここは俺達の『今』なんだよな?ここにいる人々は、アイツに操られて自分は二百年前の人間だと思ってるけど、皆『今』の人間なんだよな?」

「ああ、そうだが?」

「だったら、アイツがいるのはおかしいんだ!」

フェニックスは火炎の翼を出すと、飛び立っていった。

「アイツに何かヒントがあるかも知れねぇ!」

「おい!フェニックス!」

どんぶりどじょうが止めても、フェニックスは止まらなかった。

「あ…!」

ジームは、どんぶりうなぎが笑っているのに気付いた。

「何故笑っている?」

「ククク…あの馬鹿、自分から罠に飛び込んでいきやがった…」

「何だと!」

それを聞いたどんぶりどじょうとジームは、フェニックスの後を追っていった。

どんぶりうなぎは、少し間を空けて追いかけていった。






「フェニックスー!」

「フェニックス殿ー!」

二人が探す。

飛んでいった方向は解るのだが、どこにいるかは全く解らない。

その罠が何なのか、それも解らない状況で、むやみにフェニックスを探していた。






フェニックスはあの家に着いた。

名前は「久坂くざか」となっている。

ピーンポーン…。

「久坂ー!」

「あ、猛くん」

後ろからバッグを持った久坂が来た。

塾の帰りだろうか。

「久坂…」

「何か用かい」

「久坂、テメエ何でここにいる」

「え?何でって、ここが僕の家だし…」

必死に言い訳をしているが、その顔から汗が流れる。

「ここが二百年後、って事ぐらい解ってんだよ。何でここにいるんだよ」

「そ、それは…それは…」

動揺している。

「答えろ久坂!」

胸ぐらを掴む。

すると、久坂が何かをボソッと言った。

「き、聞こえねぇ!はっきり言え!おい久坂!」

興奮しているフェニックスには気付けなかったが、久坂が何かを言ったことで数キロの範囲にいる人にシグナルが聞こえていた。

それは、聞こえた人を久坂の方へ引き寄せた。

いつかにサイゴが使った技(地下界精鋭部隊参照)。

命の磁石。

何をする気かもうお解りの方もいるだろう。

二人の周りに人が集まる。

「どうなってんだ…?」

すると、久坂がニヤリと笑い、宙に浮いた。

「久坂!お前どうやって…」

久坂の手に光が集まりだす。

「これ…ヤバイ奴か…?」

フェニックスが結界を張ろうとしたその時だった。

光の玉が、群衆に落ちた。






煙が消えた時、死体の山が現れた。

そして、大きな穴が地面に出来る。

それを見ていた久坂は、大笑いした。

「皆死んだ!猛くんも死んだ!やったぞ!ハハハハハハハハハハハハハ!」

穴は小さくなっていくが、途中で止まった。安定したのだ。

それは、誰がしたのか。

穴の下にアングルを向けよう。

地下界精鋭部隊、完全復活。

天上界に行っているサイゴ以外が、穴を安定させたのだ。

地上にアングルを戻す。

「ハハハハハハハハハハハハハハハ!」

久坂はずっと笑っていた。

「ハハハハハハ…ハ…ハハ…。…?」

その笑顔は驚愕に変わった。

三人、生き残っていたのだ。

「探しましたよ、フェニックス殿」

「勝手に動くんじゃない、フェニックス!」

「すまねぇ、ジーム、どんぶりどじょう…。罠だったなんて…。」

久坂が叫んだ。

「猛くん!どうやって…!」

ジームが代わりに答えた。

「シグナルについてきたらいたんですよ。他の人は守れませんでしたが、不幸中の幸い、フェニックス殿は守れました。自分の作戦が仇になったようですね」

「貴様、久坂と言うのか?心を見させて貰ったぞ。地上界の人間だったが、地下界にてどんぶりうなぎに力を与えられた。そして、姿を子供の頃にし、『二界道』の作成を命じられたのだな!」

「ぐ…!」

そう、あの穴は皆さんご存じ「二界道」だ。ただ、地上界の人間は力が弱かったため、いささか小さい気もする。

「しくじったようだな、久坂!」

「ど、どんぶりうなぎ様!」

どんぶりうなぎもやって来ていた。

「フェニックスは絶対に仕留め、二界道を大きくしろと言っていただろう!」

「す、すみません!」

「まぁいい、二界道自体は作れたようだからな。帰って良いぞ」

「はい」

久坂が帰ろうとしたその時。

「逃がすかよ、サーカスフレア!」

炎が久坂を縛った。

「久坂、テメエは俺の友達だったが、地上界の人々を殺し、二界道を作った。お前は下っぱだから死んでも復活なんかどうせ出来ないんだろう?だったら、死んで償って貰う」

「やめて、猛くん…お願いだよ…」

「黙れ、冥臨!」

「ぐああああああああああああああ!」

死んだ。

フェニックスが穴に目を向ける。

すると、どんぶりうなぎが言った。

「そろそろ扉が付くぞ」

言った直後、扉が現れた。

「何て事だ…。」

事態は、更に悪化している。


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