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五人の覇者  作者: コウモリ
番外編
103/147

空舞う炎(五)

まず、フェニックスは言われた事をを整理することから始めた。

「箇条書きだな」

こういう時に役立つのは箇条書きである。


・今は「初めてのお使い」の時

・皆いないけど、数時間で帰ってくる

・それまでに、嬲木雨曇と右大軍ロビン(in地上界)を殺す

・どんぶりうなぎは地上界にいる

・天上界に行けない

・クリアしないとヤバイ

・頭使わないと殺せない


「ざっとこんなもんか」

最後の一文はフェニックスにとって、裁判が始まる前に死刑宣告されたような感じだが、やるしかないのだ。

「早速探すか」

何をする気だろうか。

フェニックスファンの皆さん、彼のおバカで必死な行動をしかと見届けて欲しい。






ピーンポーン…。

「はーい」

フェニックスが行ったのはその頃友人だった人の家だ。

「よぉ」

「え…?猛ちゃん?たっ、猛ちゃんが何で生きてるの?え?え?いっ、生きてるの?」

「あ゛」

逃走。






翼を使って、自分の知らない街へ。

見知らぬ人へ声を掛ける。

「あの…」

「何だね、坊や」

「ぼ…!ゲホン、嬲木雨曇と右大軍ロビンがどこにいるか解りませんか?」

「き、君…。率直に聞くんだね…。」

直線を歩む少年。

「で、知ってますか?」

「いやぁ…。確かに有名だけど、そーゆー事は…。」

「すいません、どうもありがとうございます」

「役に立てなくてすまんな、坊や」

「…………。」

俺の方が百五十歳くらい年上なんだよ!

そう、心で呟くフェニックスであった。






「どーすりゃいーかなぁ…。」

一時間経過。数十人に聞き込んだが、収穫は0。

手も足も出ていない状況である。

読者の皆さんは、こういう時にどうすれば良いかお解りだろうか。

解っているなら、大声で叫んでフェニックスに教えてやって欲しい。

ほら、子供向けの映画や劇のように。

せーの、

「(読者の皆さんの叫び)」

「え、聞こえない…。」

聞こえていないッ!

もっと大きな声で、

せーの、

「(再びどうぞ)」

今度は届いたか?






「なるほど!出版社に行けば良いんだ!皆、ありがとう!」

皆さんが、出版社に行け、とフェニックスに言ったかどうかは別として、とにかくフェニックスは出版社に向かった。






大日本出版にて。

「どうも」

「どちら様でしょうか」

「少し聞きたい事が」

「はい?」

「嬲木雨曇と右大軍ロビンの居場所を教えて欲しいのです」

「ならば、担当の彼に…。」

この経緯を見て、

(自分も有名人の居場所を知りたいなら、担当に会いに行こう♪)

と思った諸君。

現実でこんなに上手くいくと思うな。

これはあくまでフィクションである。

「ども」

「こんにちは。嬲木雨曇と右大軍ロビンの居場所を知りたいんだって?」

「はい」

すると、担当は困った顔をした。

「実はね、担当の僕も知らないんだよ」

「え゛」

「実はね…。

彼らが書いた本は嬲木雨曇が『今宵十五夜也』だけ、右大軍ロビンが『ラストオブヒーローズ』だけなんだ。

しかも、両作とも原稿はファックスで送られてきた。

普通なら、本人と話し合って書き直す点を書き直さなきゃいけないんだけど、両作間違いは0。

そのまま出版したんだよ。

だから、僕は彼らの顔も居場所も知らないんだ」

ここで、読者の皆さんには疑問を幾つか持って欲しい。

「え、でも書いたのは一冊だけって…。無名の作者の作品を受け入れたんですか?」

「うーん、確かに、普通なら断る。でも、居場所を聞くってことは君も読んだことがあるのだろう?」

「はい」

因みに、今宵十五夜也は二十ページも読んでいない。

「だったら、二作がどれだけ凄いか解るだろう。無名の作者とは言え、あれほどの作品を捨てる訳にはいかなかった」

「…………。」

結局、手掛かりは掴めないのだろうか。

フェニックスが諦めかけたその時だった。

担当が話し出した。

「君は…今までの話を聞いて、何も思わないのかい?」

「え?」

担当が不審そうな顔をして言ったのだ。

「何も…思った事は無いのかい?」

「え…手掛かりは無いのかなぁ、と…」

「…………。」

担当が呆れた顔をする。

「普通ここまで来たら一つ思い付く事があるだろう…。…………。」

それを聞いたフェニックスは、愕然とした。

「それ…本当なんですか…?」

「いや、あくまで推測だからね」

「じゃあ…どうして、こんな事を?」

「解らない。でも、ほらこうすれば…」

「マジか…!」

指示語ばかりで申し訳ない。読者の皆さんから真実を隠すためだ。

とにかく、フェニックスは担当が紙に書いたものを見て、驚愕した。

そして、フェニックス自身もその紙に数文字付け加える。

「これが本当なら、俺が殺すべき人物は…!」

変に推理小説っぽくなったこと、ここに謝罪する。

だが、いつかきっとタイトルらしくなるだろう。


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