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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

クズの記憶

作者: 師裏剣
掲載日:2026/06/16

お久しぶりです

リハビリがてらのショートです

昨夜の夢を書いてみた

- [ ] 夏の日


目の前には黄色と白のボーダーのワンピースの裾を靡かせた風により、細く小柄な体形が浮かび上がる。して卵型の輪郭にボブカットと言われるであろう髪型の女性。


間違いなく私の初めての女性だった。そう元カノだ。


場所は、高校三年の時のクラスメート達との同窓会と名を打った地元の湖で開催されたバーベキュー大会。

この湖には昔よくデートに来たなぁと懐かしくもある。

彼女と結ばれたのは高校2年の夏だった。

彼女は尽くすタイプで私の言う事はなんでも聞いてくれた。

初めての彼女ということで猿になった私を嫌がらずに毎回受け止めてくれていたのだ。


しかし私は飽き性だったようだ。

だんだん彼女に飽きてきた頃、就職して3年目だっただろうか、別の女性に出会う。

お金持ちのお嬢様だが、身体はゴツく骨太で顔立ちも整ってはいないが特徴的笑い方をする優しい人だった。

私は貧乏人だったので彼女の家柄にも惹かれて付き合うことにした。そして結婚。

元カノには金の為だ、本当に好きなのはキミだけど彼女と結婚する、だがキミとも別れたくはないから隠れて会おうなどと調子の良い事を吐き、無理矢理納得させた。


下衆なのは承知の上で。


そうしてだんだん元カノに連絡する回数は減り、ここ一年は全く会っていなかった。


バーベキューには元カノも当然同級生なので来ていたのだ。

なので、久しぶりに同窓会のその後に2人で密かにラブホテルにでも行って、抱いてやろうなどと思った。

酒を飲んで気が大きくなっていたのか、元カノを抱き寄せチークダンスのように踊りながら、久しぶりの元カノの尻の感触に酔いしれていた。


周りの奴らは「アイツ何してんだ?」という感じで俺達を見ている。

昔の彼女とチークダンスを踊るのがそんなに不思議か?

皆が俺に話かけてくるのを適当に相槌を打ちつつ、元カノと話していると友人達は心配そうに俺の顔を見る。

大丈夫だよ、妻にバレなきゃいいのさ。


幹事が湖の遊覧船のチケットを皆んなに配った。

酒に酔って遊覧船に揺られるとか少し嫌だったが、皆んなにノリが悪いと思われるのも癪なので、一番先に乗り込んで2階の展望シートがあるフロアデッキに駆け上がった。


風が心地よく私の髪の毛をたなびかせた。

この遊覧船、妻との初デートで乗ったなぁと、どうでも良い事を思いながら、手すりに寄りかかり湖面を眺める。

その時後ろから強く押される。

普通なら手すりがあるので大丈夫だが、錆びた釘が折れるような音と共に私の体が宙を舞ってしまった。


空中で振り返った私の眼に映ったのは、黄色と白のボーダー柄のワンピース。


なぜ? なぜ私を突き落とす?


遊覧船は騒然とし、救命ボートがすぐに降ろされ私は船乗りようのキャップ?を深く被った大柄な女性クルーに無事に引き上げられて遊覧船が係留されていた桟橋の方へ運ばれた。

私は桟橋に飛び移った後、お礼をもう一度言おうと思い、後ろを振り返ってボートを見ると大柄な女性クルーの口元が笑っていた。


キャップのせいで顔がよくわからないが、あの口元の左側が吊り上がる笑い方には見覚えがある気がする。


いやいや、見覚えなんてもんじゃない、妻にそっくりだ。

死んだ妻そのものだ。


そして私は思い出す。


妻はスーパーの駐車場で轢き逃げされた。

防犯カメラに撮られた映像には黄色と白のボーダー柄のワンピースの女性が妻にぶつかった後、車から降りてきて妻の死をしっかりと確認し、慌てて車で立ち去る映像を警察官から見せてもらった事を。


なぜ忘れていた?こんな大事な事を!



元カノがやった? では妻の死は轢き逃げ事故ではなく殺人?

なぜ?


そして私、いや俺はさらに思い出す。


妻に飽きた私は会社の新人の女性と深い仲になり、その子と一緒に暮らしたいと思っていた事を。

そして、


妻の殺害を元彼女に依頼し、彼女が泣きながら私に殺したことを報告しにきた時に、「これで私と結婚してくれるのよね?」と言った元彼女の首を絞めて殺害し、この湖に沈めた事を。


その後俺は精神を病み入院したはず……


俺の首に女性クルーの手が絡みついていた。


息ができない、殺されるのか俺は。


だが一体誰に?

今俺の首を絞めている女は妻であるはずがない!元カノが殺したはずだから。


では、俺を突き落とした元カノは誰なのか?

元カノは俺自身が殺したはずだ。


幽霊?いや亡霊?

薄くなる視界に思うは一緒に暮らそうと笑う新人の顔

ちょうど妻と元カノの足して2で割ったような顔立ちの……


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