【15】 【魔法剣士 シェイン】
【15】
【魔法剣士 シェイン】
とある岩山地帯にて、巨大で凶悪なドラゴンとの交戦中。ドラゴンのブレス攻撃から逃れて、魔法剣士のシェインと仲間の戦士の男はある岩の後ろに隠れていた。
「くそっ、さすがドラゴンだ。滅茶苦茶強いな」
「シェイン……俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」
「おい馬鹿やめろ!」
「思えばここまで長かったよな。俺、昔は悪さばっかりしててさ。故郷に戻ったら仕事しながら勉強して、親孝行もしたいなと思ってるんだ」
「だからやめろ馬鹿!」
「ええい、こんなところにいられるか! 俺は行かせてもらうぜ!」
「あ、おい、だから馬鹿かお前⁉」
ドラゴンの前へと飛び出していく戦士。シェインも仕方なく飛び出して、戦士の突撃をサポートする。
そしてなんとかドラゴンの討伐に成功し、シェインは傷付いた戦士を魔法で治療していく。
「よくあんな死亡フラグを立てまくったくせに生き残れたもんだ」
「へっ……こんな怪我くらい大したことないさ、ちょっと休めば大丈夫だ」
「まだ言うか。はぁ……つーかお前、結婚相手いたのか」
「いやいないが?」
「はぁ⁉ いや『何言ってんだお前?』みたいな顔すんな! そう言いたいのは私の方だ!」
「だから、俺と結婚してくれ、シェイン」
「はぁ⁉ さっぱり意味が分からんぞ⁉」
「すぐに結婚出来ないなら、結婚を前提に付き合ってくれ」
「だから何でそうなるんだ! 色々といきなりすぎるだろ!」
「駄目か?」
「……死亡フラグばっか立てる奴とは無理だな」
「ふむ。……、お、お前の為に生き残るわけじゃないんだからなっ」
「それもやめい」
数年後。なんやかんやあって二人は結局結婚した。
♰