子育て、お悩みエッセイ その3 ~奇跡の仕事人~
夏に向けて色々とお願いごとをされる私。保護者会もたいへんですね。
「え~?スイミング指導のボランティア?私が?」
「泳ぐの達者でしょう?去年ものすごい勢いで市民プールを泳いでましたもんねぇ。バタフライで……」
なんですか?京都の人ですか?
水しぶきウザイどすえ?みたいな本音?
water?監視社会?悪目立ちしていたか。
「よし……リンコフ特製カリキュラム……
背泳ぎ → バサロ → バタフライ
→ 平泳ぎ → クロール の順で 」
「やめてください。普通に教えてあげてください」
「クロールは左右非対称だから、いちばん難しいんですよ」
「背泳ぎもでしょう」
「チッチッチ、息継ぎいらねーから左右対称です」
「とにかく、普通にお願いします」
そして、ピコーンと一人の男が私の頭に浮かんだ。
「つまんないなぁ。そうだ、スクール水着姿の女子小学生がお好きな〇〇さんにコンタクトを」
「これだから、男の子の親は……犯罪を誘発させるな。ウチは娘なんだぞ、なにかあったらどうする。冗談でも言わないでくれ」
なんか、色々すいません。
「井戸水のポンプを動かしてwater」の話を書こうとしたら、どうしてこうなった?
では、まえがきはこのへんにしておいて、本編の始まりです。
……教師の中に「ザ・ミラクル・ワーカー」は、いるのだろうか?
原題:The Miracle Worker
邦題:奇跡の人(ヘレン・ケラー物語)
漫画「ガラスの仮面」でも演じていましたね。
んで、そもそもの話ですけれども……
奇跡の人=ヘレン・ケラー
でなく
The Miracle Worker
→ ザ・ミラクル・ワーカー
→ 奇跡の仕事人
→ アン・サリヴァン(サリバン先生)
なんです。
20歳の時、少女ヘレン・ケラーを任されて、
その後、50年間教え続けた先生。
奇跡の仕事人、サリバン先生。
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4月上旬に、学校の先生は言いました。
「昔アメリカに、ヘレン・ケラーという人がいて、目も見えない、耳も聞こえない、話すこともできない。そんな三重苦の中、努力して、努力して、努力して……大学も卒業して、社会貢献されたんですよ」
そんな話を聞いたように思います。いい話だと思います。
でも、なんだか、凄く歪んでますよね。
サリバン先生に貴方はなれるの?先生?
無理でしょう?
あぁそうか学校の先生として、サリバン先生の偉大さは非常に都合が悪いのか。
だって、教師にそんな人いない。少なくとも私は知らない。
いたとしても、ごく少数なんでしょうし。
ヘレン・ケラーの努力だけ切り取って、奇跡の人にしてしまえば、教育する側からしたら、随分と御都合の良いことなのでしょうね。
だって、あなた達は、奇跡の仕事人ではないですもの。
奇跡の人だけを強調するほうが都合いいですもの。
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と、そんなことを考えながら、子供にヘレン・ケラーを読み聞かせる私でした。
こんなヒネクレタ話を教えるには、まだこの子は小さすぎるな。
っていうか……
「パパの年収でサリバン先生を雇えると思うの?
つきっきりの家庭教師?いくらかかると思う?」
と、ヨメに言われそうで怖いですね。
そうか……奇跡の財力か。
The Miracle Wealthy
ザ・ミラクル・ウェルシー
私には無いな。
(おしまい)
大丈夫です。そこまで学校の先生に期待していませんから。学校の先生も大変でしょうしね。
でもまぁなんとなく、サリバン先生の話を棚に上げてヘレン・ケラーの訓話をされる先生が滑稽に見えてですね。ポロっと、いらんこと言って話の腰を折らないように、注意注意。
1時限が45分?として20人以上の子供を教えるとしたら、一人あたり3分も無いですもんね。カップラーメン一つ作ることもできない時間で、どうしろと?って感じなのかもしれません。その割には『お任せください』的な調子のいいことを言える心臓が凄いと思います。そして『やっぱり無理でした』連発中の四月下旬です。