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白の襲撃者  作者: 田中 遊華’s
シーズン1 Trigger of Catastrophe

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1-45 大暴走!

トレスフィエラ【軍事機密】

ハウンドの使い魔である4体の猟犬、そのうち、ホムラ、ツララ、ツムジの3体が融合した姿。

平常時のハウンドの奥の手。

3体分の魔力を用いた大規模な魔法を使えるほか、曲面レンズを生成して放つ熱線など魔法以外の攻撃手段も多彩になる。

クロガネはハウンドの剣になるためここには加わらない(以前に試した際は巨大になりすぎてハウンドの指定したターゲットが見えなくなっていた)。


イーグルと首領ドン鴉が戦っている場所にもハウンドの咆哮は届いていた。

こちらもお互いに手を止め、距離を取る。

「ハウ」

「隙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁりぃぃぃ!」

イーグルが呟くその隙をドンは許さない。

鋭く、最短距離で放たれた突きをイーグルは必死で回避する。

「危ねぇだろがぁ!」

イーグルの怒りの抗議をドンは鼻で笑う。

「戦場で気を抜くなぁど…言語道断ンン!」

イーグルは正論で返され、舌打ちする。

「なら…オレの雷を喰らえええ!」

イーグルは吠えながら杖を回転させる。

「来るがいぃぃ!この首領ドン!逃げも隠れもせぬわぁぁぁぁぁ!」

身体強化からのステップイン。

イーグルの杖は光らない。

「くたばれぇぇえ!」

イーグルは杖を放り投げ、短刀ナイフをドンの腹に突き立てる。

「卑怯也ィィィィィィィィ‼︎」

「うるせぇぇ!雷よ!貫けぇ!8連雷槍らいそうぉ!」

空中で杖を拾い、絶叫いのる

杖から迸る8本の稲妻がドンへ伸びる。

狙いは腹部に刺さったナイフだ。

三羽烏の相手をした際は相手の動きを止めていたため、簡易的な着弾地点の指定で問題なかった。

だが、今回はドンが逃げられる状況だったためにターゲットとなるナイフを使ったのだ。

こうした着弾地点の指定もまた、旧式の魔法のデメリットである。

「我が弟子たちよ!力をぉぉぉぉぉぉ!」

ドンは自らの剣を天にかかげる。

「無駄だ!雷槍はナイフを追う。避雷針とは意味が違うんだよ!」

イーグルはドンの意思を測りかねていた。

彼は雷を誘導するために剣を掲げたのではない。

「行くぞぉ!首領ドォンカラァァス・ソォォォォォォォォド!!!」

イーグルは戦慄した。

先程倒した三羽烏の刀が糸で吊られたように動き出すと雷を斬り払ったのだ。

「どんな魔法ちからだよ…」

魔法の専門家プロフェッショナルであるイーグルでさえ、物理的な刀を動かす魔法は知らない。

「ゆくぞ…!」

首領が刀を構えるとその周りに陣形を組むようにして3本の刀が漂う。

その中の2本が真っ直ぐにイーグルをめがけて飛んでくる。

「クソ…氷よ!守り給え!」

悪態を突きながら氷の壁で刀を受け止めるが、それは『やらされた』防御だ。

残りの1本と、首領が左右から挟みこむように向かってきている。

イーグルは思考をめぐらす。

(氷を伸ばすのは間に合わん…身体強化で凌ぐ!)

イーグルの目から閃光が迸る。

「甘いィ!甘いぞォ!!」

首領は、イーグルの左手側から右に抜けるように突きを放つ。

その進路からイーグルは逃れようとするが、胸のあたりを掠める。

僅かに鮮血が舞う。

しかし、首領は止まらない。

右手側から変わりこんでいた刀をキャッチし、イーグルの逃れた先へ振り下ろす。

(マズい…)

回転による遠心力を得た一刀はイーグルの右肩から袈裟斬りの軌道になる。

火箸を押し当てられた様な痛みが走る。

身体強化のおかげか出血が激しいわけではない。

しかし、痛みが動きを鈍らせる。

首領の大振りをカバーするように彼の背中側から2本の刀が現れる。

最初、氷の壁に阻まれた2本だが、壁を乗り越えるようにして出てきたのだ。

「これにて決着ゥ!」

首領の声に合わせ、背後から出てきた2本がイーグルの体を刺し貫くと、そのまま突き当りの壁に突き立てる。

磔のような形で壁に叩きつけられたイーグルは動かない。

いや、動けない。或るいは、動く力さえ残っていない。というべきか。


「RRRRRRRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

暴走状態のハウンドはトータスの頬を右ストレートで捉え、振りぬかんとしている。

トータスのアドレナリンは頬骨の軋む音をスロー再生で流している。

「邪魔、するでぇ!!」

ツスルが横からハウンドを蹴り飛ばした。

「GGGGGGGGGGGYYYYYYYYYYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

ハウンドはすぐさま体勢を立て直すとツスルに対して威嚇するように吠える。

今の彼には敵が増えたとしか見えていない。

「ちょうどいいところに来たな。手伝ってもらうぜ?」

「あれもしかしてハウンド君か?なんや…ちょっとワイルドになってるやん…」

トータスとツスルの会話を聞いていたリエルが吠える。

「俺を無視するとはいい根性してんじゃねえか!」

後ろからトータスの肩を掴もうとするリエル。

しかし、目の前の獣人ハウンドは声を張り上げたリエルをターゲットに選択した。

ハウンドと3人は少し距離が空いていたはずだったが、瞬きする間もなく、リエルの腕にハウンドは噛み付く。

「テメェ!」

リエルは空いている左腕の肘をハウンドの顔面に落とそうとするが、ハウンドは頭を振るようにしてリエルを後脚あしもとめがけて引き付ける。

バランスを崩したリエルの顔面にハウンドの膝が叩き込まれる。

ツスル、トータスが挟みこむように正拳を放つ。

大きくのけぞるリエル。

ハウンドは回避しない。

その必要性を感じていないのだ。

彼はそのままリエルの顔面を掴み、押し込むようにして床へ叩きつける。

トータスとツスルの拳はハウンドの頭上で交差する。

リエルの頭が潰れ、死んだ。と判断したハウンドは反転し、背後の2人へと標的を移す。

「UUUUUUUUUUUGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

咆哮と共にツスルへととびかかるハウンド。

理由はない。

強いてあげるなら反転する際に先に視界に入った。

「自分、ええ加減にせえよ!」

ツスルの目に光が迸ると共に掌を捻るような軌道で放つ。

彼の得意とする掌底だ。

文字通り手のひらの底、手首の付け根のあたりにある骨で相手を殴りつける。

拳を弾丸や矢とするならこれは鈍器とも呼べる。

狙いはハウンドの顔面。

だが、ハウンドは獣の口を大きく開く。

(ワシの腕ごと食いちぎる気か…?!)

全力で振りぬこうとするツスルの掌底は止められない。

「閉じてろ!」

しかし、背後から再生したリエルがハウンドの口を塞ぐ。

「ffffggggggg…!」

ハウンドの意識は反射的にリエルに向く。

そしてそのままツスルの一撃がハウンドの側頭部を捕らえる。

「うっしゃあああああああ!!」

ハウンドの首が大きく弾ける。

「畳みかけるぞ!」

トータスは掛け声とともに連打を叩き込む。

それに合わせ、リエル、ツスルも続く。

ハウンドは連携を受け、吹き飛ばされる。

彼の姿はもとの人間の姿に戻る。

「終わりで…ええんやな?」

「ああ…ホント助かったぜ…」

その場に座り込むツスルとトータス。

「興ざめだな…次はサシでやろうぜ。」

リエルはそうつぶやくと光の玉に飲まれて消えた。

これで城内の戦闘は全て終わったと思われる。

次回は土曜日

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