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白の襲撃者  作者: 田中 遊華’s
シーズン1 Trigger of Catastrophe

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1-41 大同盟

ソラウ・ソラ【一般情報(含:個人情報)】

天の国の現国家元首である。

ただし、国民の前に立った記録も会談に応じた記録も存在せず、一部では死亡説、架空説が存在する。

事務局長のツスルの幻覚説まで存在する。

しかし、重要な書類へのサインなどは行われているため存在はしているようである。

総じて謎が多く、龍の国の姫と会談を行うという噂は現王になってから初の会談であるためあっという間に広まった。


会談まで10分と迫っていた。

接見の間の隣にある控室でパルたちは待機している。

ここは、天の国の王城地下にあり、警備の関係から通路は1つしか存在せず、部屋も、待機部屋と接見の間しか存在しない。

パルが壁にもたれ考え事をしていると、ハウンドが声をかける。

「お前、戦えるのか?」

ハウンドは相手の魔力量を把握する事にも長けているが、彼から見てパルの魔力量は昨夜、出ていく際の半分以下となっていた。

パルは、肩をすくめ、

「なんもないことを祈るしかないのかもな?」

そう言って笑う。

「対応は俺たちがやる。お前は…」

「おっと、それはダメだ。オレだって自分のことはわかってる。ただ、守られるつもりはねえ。」

パルはハウンドの言葉を遮る。

しばしの沈黙の後、ツスルが部屋に入ってくる。

「おし。揃っとるな。全員、接見の間にいくで!」

レイアを先頭に1人ずつ部屋を出る。

最後に部屋を出たパルは、ツスルの後ろに控えていたカインを見つける。

目は合わせなかったが、パルは自分なりの結論こたえを出していた。

接見の間に続く長い廊下を進んだ突き当りにある重厚そうな扉。

ツスルはその扉を開く。

中は調度品があつらえられ、パーティを開けるのではないかと思うほどの広さだ。

「急なお話にも関わらずお時間をいただきありがとうございます。」

20代前半の青年、下手すると未成年にも見える少年が立ち上がって一同に声を掛ける。

っか?!)

パルは声に出すのをギリギリで我慢した。

パルが驚いたようにレイアとカレンを除く全員が目を見開く。

パルたちの認識であれば即位して10年以上になるはずであり、ハウンドと同年代のはずである。

「改めてワシから紹介さしてもらうで。天の国国家元首、ソラウ・ソラ様や。」

ツスルの紹介を受け、ソラは一礼すると、呆れた声で、

義兄にいさん…また、無理をされましたね。」

とツスルの方を向く。

「これでもサボってんで?それに色々バタバタしとったさかい。」

二人の会話に微妙に付いていけない。

「時間はないですが、私について話しておいた方がいいのでは?」

ソラの言葉を受け、ツスルが前に出る。

「ま、とりあえず君ら座りな?」


港小島には多くの船が集結していた。

「停船しろ!この数の入港は聞いていない!」

港小島の防衛隊の声がスピーカーを通して響くが、船の速度は落ちない。

港小島はその名の通り小さな島で灯台と商店、宿泊施設があるだけであり、その周りを港が囲むように配置されている。

防衛隊は灯台を中心に配置されている。

「あぁ…ここが港小島の灯台ですか。思ったより貧相ですね。」

スピーカーを通して停船を呼びかけていた男の背後からサーペントは声を掛けた。

「どこから入ってきた!?」

灯台の男は振り返り銃を抜く。

しかし、銃はホルスターから引き抜けない。

いや、彼の体は何かに取りつかれたように動かない。

「いけませんね。暴力はいけない。」

サーペントの目が怪しく光ると、男に巻き付いていた半透明のヘビが姿を現す。

サーペントの使い魔だ。

背後からもう一人の男が現れる。

「ゴーレムも防衛隊も殲滅完了。こちらの損害はゼロだ。」

男は過去にパルが倒した第5天使グディの後釜に座ったいわば2代目のグディだ。

グディの報告を聞いたサーペントは指を鳴らす。

「天の国側からの情報はここで待ちましょうか。天の国が失敗すればすぐに動きましょう。」

白蛇つかいまはそのまま、男を引きちぎるようにして殺害する。

民間の輸送船に偽装したリアレスの輸送船団の総数30隻。

人数にして30000体のリアレスがコンテナなどに収容されている。

そして、サーペント、グディらの教団幹部も参戦する。

しかし、レイモンドに言わせればこれは、自分を狡猾と評価する人間が、他の人間に自分の力を誇示するために思いついた悠長な策。であった。


天の国、接見の間ではパル達が着席した後、ツスルによる説明が始まっていた。

「天の国の国王いうんはみんなこんな感じや。見かけの年はとらへん。そしてこのままの姿で死ぬんや。龍の呪いやら言われとる。基本的に表にでらんのはそういう理屈やな。」

「龍はいまだに恐怖の対象です。親は子に、悪いことをすると龍に食べられる。と教え、大人達は天災を龍の怒りと恐怖している。」

ツスルの説明をソラは補足する。

「本題に入りましょう。」

ソラの言葉に一同緊張が走る。

それだけの風格が彼にはあった。

「私と義兄にいさんはある構想を持っています。名を『大同盟』。天、龍、港の大国を軸に結成する同盟組織です。目的は教団のような国を跨いで活動する武装組織への対処。」

2国間の同盟は前例が多く存在するが大国同士、それも複数に及ぶものは例がない。

「そういう意味では天の国はレイア姫の龍の国女王即位を全面的に支援さしてもらうで。無論、同盟参加が前提やけどな。」

ツスルの言葉にレイアは言葉に詰まる。

大同盟のメリット、デメリットを彼女なりに考えていた。

「つまり、同盟の戦力として龍の国からも人の派遣をして欲しいと?」

レイアの言葉は的を射ていた。

ほぼ壊滅状態の龍の国の現状から考えて、大同盟に最初から参加するとなれば出せる手札はパルを始めとする戦闘能力だ。

「すぐに。と言いたいところですが、現状、龍の国の復興を優先すべきでしょう。そこは大同盟として支援するつもりです。その上で教団と正面衝突するようなことがあれば戦力を出して欲しいのです。」

大同盟軍とも呼べるそれはあくまで必要なタイミングによるものであれば長期間国の守りが甘くなる可能性は低い。

そもそも大同盟軍が必要になる事態となれば国防よりも戦力を集中して対処することが正しい可能性もある。

「俺ぁ賛成ですぜ。流石に大国の支援なしに龍の国を復興させるのは難しい。」

隣に座っていたトータスがレイアに耳打ちする。

教団は教団の支援と人脈で復興を進める。

それに対して、姫の陣営は後ろ盾となるものはなく、復興のスピードとという意味では教団側が圧倒的優位を保っている。

しかし、天の国をはじめとする大同盟が支援するとなればその速度と透明性は姫側に傾く。

姫は腕を組み、椅子に深く沈み込む。

そして何度か大同盟の名を呟く。

パルは僅かな既視感からレイアがフレイルの娘であることを感じていた。

「その話、お受けします。龍の国は大同盟の初期参加国となりましょう。」

レイアの言葉にソラとツスルの表情は明るくなる。

「無論、同盟による復興支援が前提ですが。」

「肝の据わったお方やなぁ。」

ツスルの言葉で場の雰囲気が和んだところでパル達を交えた会談は終了した。

レイアを残してパル達が控え室に戻るが、レイモンド、ドクの2人はすぐさまノーチラスへ戻り龍の国への移動の準備に取り掛かる。

通信役のカレンを含むパル、ハウンド、イーグル、トータスは姫の護衛と教団の天の国襲撃に備える。

控え室にはすでにカインが待機していた。

「紹介しとくで、天の国が誇る最強の戦士、剣聖カインや!」

ツスルの紹介を受けて一礼するカイン。

パルはカインの目があった瞬間、同じ陣営に立つはずにも関わらず、自分自身が戦うべき、正確には自分に流れる黒い血が、滅ぶべき宿命にあるのではないかと直感的に感じた。

それは、龍の国で出会った時のそれに近く、むしろそれがはっきりとしたような感覚だった。


船に戻る道すがらカレンを通して港小島の状況を聞いていたレイモンドはハウンドに連絡を入れる。

「今から港小島攻撃しない?」

『すごく唐突で困るんだが、理由聞いていいか?』

ハウンドの回答は予想通りだった。

「んじゃあ簡単に。今、港小島に集結している船はまだ動いてない。つまりサーペントの方は保険だと思う。つまり、こっちから先制攻撃しても彼らは動かない。ノーリスクで数を減らせると思うんだけど?」

ハウンドは少し考え、

『ノーリスクってことはないだろ。防衛戦力がただでさえ少ないのにリスクを被る必要はない。』

これもレイモンドの予想通りの回答だった。

「サーペントは自分を狡猾だと思ってる。分かりやすく言えば自分以外はアホだと思ってる。そこで攻撃して安い挑発したら賢い彼は動かない。」

『誰が煽るんだ?まさかお前がやる気か?』

そうだよ。レイモンドは当然のように返す。

『バカ言え。お前が煽ったらサーペントはブチギレる。』

「じゃああの子に頼もうよ。」

レイモンドのあげた候補には流石のハウンドも驚いたが、オルカが承認すれば。という条件付きでそれを認めた。


次回は土曜日

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