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【大書堂検閲済】セリンスロ・ケン氏への取材記録

⚠️シーズン1のネタバレを含みます⚠️




















時間になったな。

これから少し前のことではあるがトラ教団関係の話をさせてもらう。

自己紹介が遅れた、自分は常設大同盟軍所属セリンスロ・ケン。

コードネーム『猟犬ハウンド』を名乗っている。

そっちの方が通りがいいかな。

まあ好きに呼んでくれればいい。

早速だが『白の部隊』について話をさせてもらう。

この部隊は外交上、国が手を出しにくい案件…例えば国同士の境界付近だな、こういった場所に軍隊を派遣すれば交際問題に発展しかねない。

特に当時の龍の国はお世辞にも安定しているとはいえなかった。

だからこそ必要になったのが少数精鋭かつ女王の独断で動ける実働部隊って訳だ。

メンバーは俺と⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎、ドクトル・シュナイダーの3名。

少ない…といえば少ないな。

ドクは戦闘なんてできないバックアップメンバーだし、俺も船を預かる身である以上、簡単に外には出られない。

ああ。

つまり、実質的に⬛︎⬛︎のワンマンアーミーって感じだ。

⬛︎⬛︎の能力?

疑うべくもないさ。

圧倒的。

ただただ圧倒的だ。

問題はその⬛︎⬛︎が幽閉状態だったってことだ。

しかも5年間。

確かにこの5年間、大きな戦争はなかった。

にしてもあいつは英雄とも言えるだけの仕事をしていたんだ。

作戦の失敗を理由にされたようだが、あれらを単純な失敗として彼女に全ての責任を押し付けるのは不自然すぎる。

それを幽閉なんて…はっきり言ってきな臭い以外の何者でもないだろ?

まあ、事実として俺の想像の数倍ヤバい話ではあった訳だしな。

話を変えよう。

白の部隊として仕事をこなして、ついでに訪れた麦の国で俺たちはレイモンドと出会う。

今思えば…本当に長い付き合いになったもんだよ。

お互いすれ違っただけの間柄なのに今じゃ友人の1人だ。

レイモンド…というより、あの場で遭遇した天使…あれが全ての始まりだった。

あそこで遭遇しなければもっと別の運命ってのもあったんだろうな。

他の2人と違って俺はいわば窓際だからな。

戦闘以外に能のない俺はあそこで天使に遭遇したから…いや、フレイル陛下が俺に目をつけたからこの後にも深く関わっていくことになったんだ。

ことのすべてはトラ教団に起因する。

世界を裏から支配し、統合することで各国間のパワーバランスを是正する。

ただ、その際に流れる血や国力の是正だけじゃ解決しないこともある。

孤児や難民、脱走兵なんかがそうだ。

国力を調整しても厄介ごとに力を入れるかは別問題だ。

特にこの三者に共通する『出身地が特定できない』ってのは国にとって悩みの種になる。

国の金は国民のため。

難民も孤児も脱走兵も…言ってしまえば国民じゃない。

そういう風に定義するだろうな。

ちょっと脱線したか?

要はトラ教団による国家の支配ってのは政治の腐敗と汚職を前提にしている。

それを軍人として、許すわけにはいかない。

軍の力は国民を守るためだ。

人を殺すことにはなるが、それは守るためだ。

一部の人間の利権を守るための力じゃない。

いかんな…どうも俺の思想的な話になってしまうな。

あんまり得意じゃないんだ。

えっと…ああ。大丈夫だ。テロ事件だな。

オフレコでお願いしたんだが、あれはフレイル陛下の作戦でもあった。

さっき話したトラ教団…当時はまだ表立った行動をとってなかった。

ただ、俺たちが滝の国で発見した教団の地下施設。

その直後に発表された滝の国と龍の国の会談。

これを偶然だって言うんなら…それが一番だったろうな…

ただ、当然、これはトラ教団の仕組んだ会談だった。

秘密を露見させた滝の国と軍事力を持つが一枚岩ではない龍の国…

この二つをまとめて潰すことで教団は一気に事を進めるつもりだったんだろう。

結果は知っての通りだ。

フレイル陛下は暗殺され、国も王城を中心に攻撃を受けた。

俺と⬛︎⬛︎は暗殺の実行犯として国際的に指名手配されて逃亡する羽目になった。

あの時のあいつは本当に見てられなかったよ。

復讐でなければ生きる意味を見出せず、かと言って行動できる状況でもない。

教団にまつわる事件が一応解決した今、考えるとあのまま放っておけば連中の計画通りだったのかもしれん。

まあこの辺の話は止められてるんだ。

あまり期待しないでくれ。

ただ、教団がこんな回りくどい手を使ったのは単純にパルとの戦闘を避けたい。っていうものじゃなかった。

もっと…

ええ、わかってます。

話を戻しますから、どうか落ち着いて…

兎も角、俺と⬛︎⬛︎は逃亡して港の国を経て天の国に辿り着いた。

当然、支援がなければ不可能だったろうな。

大書堂にサーベル・タイガー、トータスとツスルさん…ドクやカレンもそうだ。

数えきれないよ。

ああ。

レイモンド。

そうだな、あいつと本格的に絡むようになったのはその頃だ。

あいつもあいつで色々とすごいんだかすごくないんだか。

話してみればわかるよ。

簡単に煙に巻く、そのくせ自分のやりたいことはやるんだから…楽しいが敵にはしたくないな。

天の国テロ事件?

確かにあれは大騒動だった。

龍の国の一件もあった後だったし、何より天の国にいたあの⬛︎⬛︎が的に回ったんじゃな。

これもダメ?

はあ…なるほど?

あんまり話せることないな…

とりあえず天の国テロ事件はほぼ未遂に終わったし、俺もパルも罪に問われることは無くなった。

発足した大同盟も今は順調だしね。

天龍事変…なんて呼ばれてるけど、ちょっとスケールがデカ過ぎて実感が湧かないってのが本音だよ。

ん?もう時間か。

ああ。

たまにはこうやって思い起こすのも悪くない。

次までにはもっと…十分?

ありがとう。

黒塗りだらけかもしれないけど…


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