3/16
3
バンをターゲットの家から少し離れたところに置いて、セールスの新人とベテランの様な雰囲気でインターホンを押す。
スーツ姿に黒の鞄と適当な書類を持っていれば空き巣すら気づかれることは無いだろう。
「はーい」
何の警戒心もなく出てきたのは日本には珍しい金髪に碧眼の女性。
その金髪の女性が顔を上げる前に朱葉は玄関に推しいる形で入り、口を手で塞ぎ、サプレッサーが付いた拳銃で脇腹、胸、頭と立て続けに3発。
凛が朱葉に続いて玄関に入った時には既に終わっていた。
ドアがバタンと閉まる頃には任務完了している。
凛は朱葉の早業を間近で見ていて、胸に抱えた鞄の中で既に拳銃を握って、油断していると見るや荷物を離し驚く暇すら与えなかった。