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「……独立組織を作る」
マスターは銃を下げて床に雑に捨てた。
結奈のワイヤーは切ってくれないが。
それよりも不可解なことを言った気がするぞ。
「へ?」
「は?待って、その前にハッキリさせて。シークレットを殺したのは誰」
結奈にしてみればそんなことは今はどうでもいい。凛は驚いてマスターに向けていた銃を下ろしてしまっているが。
意思の弱い子だ。
「凜ではない」
「なら」
「私の相棒だった人です」
結奈は誰を恨めばいい?分からず息遣いが荒くなる。
正直問答している時間すら惜しい。
シークレットが死んだ。それは確定だろう。
突然の事、事実館が皆無なことで悲しみは薄いのが幸いか。
しかし、もう1つの命が危ない。
「凛」
「はい」
「アンタとはもう楽しくおしゃべり出来そうにないけどさ、正体はなんなの?」
「私から言おう」
「政府直属の治安維持組織だ。表には出ないがね。そして、結奈。お前は魔法統括会の魔法使いだ」




