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「お前を生かす道がこれしかなった」
マスターは結奈を椅子に座らせるとグラップルガンで拘束した。
「え?」
「凛」
突然の事で、現状を整理することが出来ない。
マスターは目も合わせない。
「はい」
「え、なになになに?ちょっとぉ、冗談がすぎるって」
凛は呼ばれ入ってくると一瞬目を張った。
凛もどうやら混乱しているようだ。
「凛、魔法使いはどうするんだった?」
マスターが教師のように凛へ尋ねる。
凛は状況が飲み込めたのか結奈を凝視する。
顔にまさか、ありえないと描いてある。
「……そんなっ!」
「どうした凛」
「だっ、駄目です!」
凛は結奈とマスターの壁になる様に立ち、銃をマスターに向ける。
結奈は理解した。
マスターもぐるで、結局魔法使いは問答無用で始末するのだと。
それが、無害であったとしても。
「……それはお前が嫌う命令違反だぞ?」
銃の安全装置すら外していない銃。
マスターは数秒目を閉じてゆっくりと言った。
「……くっ」
「罪悪感の匂い。ねぇ、凛。今日金髪碧眼の女性を殺した?」
答えは無い。ただ銃を持つ手が震えていた。
それが、答えだった。
「はぁ、もういい。打って」
あーあ、こんな能力持つんじゃなかった。




