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「凛、任務だよ」
「はい」
未だに慣れないこの重み。ズッシリとした鉄の塊。狙いを定めて引き金を引くだけで簡単に命を散らせることの出来る代物。銃。
バンの座席に座り目的地までに作戦内容をもう一度再確認する。
相手は魔法使いだ。
とはいえ不意打ちには何も対処できない所詮同じ人類だ。鉛一発で死ぬ。
「凛、緊張しているのかい」
声をかけてくれたのはバディの朱葉。Class.1stだ。優秀な人殺しだ。
おっとりとした言動と見た目、それに加えて話す速度もゆっくりで、一緒にいると心地の良い人だ。
「大丈夫です。もう、何人も殺してきました」
凛は齢17にしては罪の意識が欠如し始めていた。
それほどこの仕事は残酷なものだ。