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召喚術師と白聖女 ~転生した殺人カップルは異世界ハネムーンを満喫する~  作者: 結城 からく


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第74話 殺人カップルは空中戦を謳歌する

 移動すること暫し。

 少し遠くで爆発が起きて何かが落下した。

 ヘリを操縦する私は目を凝らして注目する。


 それは墜落するドラゴンだった。

 背中にへばり付いた肉片は、騎乗していた竜騎兵の残骸だろう。

 おそらく機銃か何かを食らったに違いない。


 それ以降、大空で炎と爆発の連鎖が生じる。

 戦闘機が縦横無尽に飛び回ってドラゴンを翻弄していた。

 時折、機銃による攻撃を炸裂させる。


 対する竜騎兵は、それに迫る速度で対抗した。

 発光する槍や弓矢で戦闘機を損壊させる。

 素の状態ではあそこまでの速度は出ないはずだ。

 よく見れば機銃も数発程度なら耐えている。


 竜騎兵は魔術で限界まで強化されているらしい。

 それにしても戦闘機に拮抗するとは恐ろしいほどの出力だ。

 ただの魔術では不可能な芸当である。

 連合軍には凄腕の魔術師が在籍しているようだ。

 それで戦力の底上げを図っていた。


「ふむ、始まったようだな」


「早くしないと終わってしまうわ。急ぎましょ」


 ジェシカが魔術で機体を加速させる。

 無理のある動きでヘリが悲鳴を上げていた。

 私は操縦桿で角度を調整し、じゃじゃ馬な駆動をコントロールする。

 ついでに後部席に乗る三名の軍人に忠告した。


「君達もしっかり掴まりたまえ。振り落とされてしまうよ」


 軍人達は黙って頷いて従ってくれた。

 不運な彼らは抗議できる立場ではない。

 ただ己の命が潰えないように祈るのが精一杯だった。


 加速したヘリはすぐに戦場の端にまで到着する。

 ここは荒野の上空にあたる場所だ。

 繰り広げられる戦いは凄惨なものであった。


 戦闘機と竜騎兵はほとんど互角の死闘を展開している。

 基本性能は前者が上回るものの、局所的な強みが後者を支えていた。


 さらに何らかの特殊な魔術が戦闘機の動作不良を誘発している。

 罠にかかった戦闘機が次々と墜落していった。

 一時は我々のヘリも怪しい状態に陥りそうになるも、ジェシカが保護の魔術を施してくれたので難を逃れる。


「ふむ、素晴らしい光景だな」


 高度を維持するヘリの中で私は感心。

 外に飛び出しそうなジェシカを宥めつつ、それ以上は接近せずに観戦に徹した。


 予想以上に連合軍が奮闘している。

 次第にこちらの戦力が劣勢を強いられつつあった。

 放っておけば壊滅するだろう。

 向こうの損害もそれなりのものだが、このままだと敗北は必至と言える。


 私は戦場を眺めながらジェシカに告げる。


「賭けは私の勝ちになりそうだね」


「ちょっと待ってて。すぐに覆してくるわ」


「おっと、それは反則だ。我々はあくまでも部外者だからね。フェアな結果を見届けようじゃないか」


「むぅ……」


 不機嫌そうなジェシカを撫でていると、兵士の一人から怒気を発した。

 振り向いた私に対して、その兵士は緊張した声で言う。


「お、お前達は……この世界を、狂わせるつもりか」


「ハハ、面白い冗談だな」


 私は鼻を鳴らして笑う。

 そして、彼の間違いを指摘する。


「――世界はとっくに狂っている。地球だって同じさ。常識だと思っていたのだがね」


 私がそう言うと、軍人は何も答えなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >「――世界はとっくに狂っている。地球だって同じさ。常識だと思っていたのだがね」 ほんと、地球上の人類史をウォーシミュレーションゲームに見立てると、 一部の国家がどう見てもパラメーターぶ…
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