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召喚術師と白聖女 ~転生した殺人カップルは異世界ハネムーンを満喫する~  作者: 結城 からく


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第72話 殺人カップルは軍人と対話する

 他愛のない雑談の中で、ジェシカが一つの疑問を呈した。


「ねぇ、私達の軍は勝てると思う?」


「どうだろう。敵との相性次第じゃないかな」


 それが私の率直な意見だった。

 魔王都市に存在する戦力はほぼ最強クラスだ。

 地球から取り寄せた現代兵器をプロの軍人が扱う。

 それも消耗を気にせずに使い放題なのだから、かなり恵まれた環境だろう。


 しかし、異世界の軍も負けてはいない。

 技術的には劣るものの、魔術を始めとする特殊能力がある。


 何より英雄と呼ばれる者達は、まさに人間の形をした兵器だった。

 単独で敵の軍隊を殲滅するようなモンスターばかりで、決して油断ならない相手に違いない。


(竜騎兵の部隊も英雄が指揮しているのだろう。戦闘機や対空ミサイルでは対処し切れないかもしれない)


 詳細な戦力は不明だが、英雄連合は対魔王のみに焦点を絞った組織だ。

 短期間での強引な設立されているも、メンバーは潤沢と言えよう。


 さらに、これまでのゴタゴタから我々の戦闘スタイルを把握している。

 多少なりとも現代兵器の知識も得ているはずだ。

 したがって対策の一つや二つは打ってくるのではないか。


(見応えのあるドッグファイトを期待しているのだがね)


 こちらが圧勝するのも、向こうが蹂躙するのもイマイチだ。

 私としては両軍が削り合って血みどろの戦いになるのが好みである。


 せっかくの戦争なのだ。

 一方的な展開では面白くない。

 観客である我々を満足させてくれるバトルを心待ちにしている。


 そんなことを考えていると背後から声をかけられた。


「フレッド・タヴィソン」


 珍しく私をフルネームで呼ぶ人間だ。

 振り向くとそこにいたのは、軍事基地の責任者の一人で、過去に私に殺された司令官であった。

 記憶にある中ではトップクラスに有能だったので招待したのである。


 私は友人に向ける笑顔を張り付けて応じる。


「何か用かな」


「貴様らも出撃するのか」


「ああ、そのつもりだ」


「くれぐれも邪魔はしてくれるなよ」


「分かっているさ。我々はただの観客と思いたまえ」


「……フン」


 司令官は不機嫌そうに鼻を鳴らす。

 ナイフのように鋭い視線には殺意が込められていた。

 臆病者ならそれだけで卒倒しそうな迫力がある。


 もっとも、それが我々に通じるはずもない。

 私は空の缶コーヒーを押し付けながら司令官に告げる。


「君こそ注意した方がいい。現代兵器は強力だが、この世界には一騎当千の化け物がいるからね」


「それは自分達のことを言っているのか?」


「ハハ、否定はしないさ」


 私は司令官の肩を叩いてすれ違うと、ジェシカを呼んで歩き出した。

 背後から司令官の呟きが聞こえてくる。


「――史上最悪の殺人鬼共が。碌な死に方をせんぞ」


「生憎と経験済みだよ。これが二度目の人生だ」


 私は軽口を返しながら手を振り、そのまま立ち去った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 不謹慎ですが、『科学の粋を集めた現代兵器 vs. 一騎当千の魔法』の展開にはワクワクします。 ……今までのフレッド&ジェシカの戦いも血湧き肉躍るものでしたが、この二人が規格外過ぎるので、…
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