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召喚術師と白聖女 ~転生した殺人カップルは異世界ハネムーンを満喫する~  作者: 結城 からく


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第69話 殺人カップルは戦争を心待ちにする

 英雄連合の存在を知ってからさらに二週間が経過した。

 魔王城の跡地は大発展を遂げていた。


 あちこちに高層ビルが立ち並び、その間にいくつものショッピングモールやマンションがある。

 休みなく働いた結果、十分に街と言えるくらいの規模になったのだ。


 追加召喚したことで住民は数万人にまで膨らんでいる。

 現在も様々な施設を追加しており、自給自足の生活ができるように開墾も始まっていた。


 これらはすべて連合軍との戦いを見越したペースアップである。

 想像以上に順調で、人々はこの異常な環境に適応していた。

 生きていくために奮闘しているのだ。

 多かれ少なかれ困惑しているだろうが、互いに協力して平和な街を構築している。


 そのことに私は感心していた。

 人間は思ったよりタフだ。

 かなり強引なやり方なので、どこかで問題が発生するかと思っていた。


 もちろん今もゼロではない。

 日々、様々なトラブルに見舞われる。

 しかし想定していたほどのものではなかった。

 色々なイレギュラーが奇跡的に噛み合っている。


 ここまで上手く運べている要因には、人々の抱く危機感も含まれているだろう。

 今の生活が破綻すれば、何もかもが終了する。

 そして悲惨な末路を遂げることになる。

 住民は暗黙の了解でそれを理解していた。


 我々は最低限の情報と指示しか与えておらず、都市については放任気味だった。

 だからこそ、住民達は必死に労働に励む。

 そうすることで不安や恐怖を押し退けて、街の安定化を図っていた。

 素晴らしい人々に恵まれて私も嬉しい限りだ。


(我々が留守にしても問題なさそうだな)


 高層ビルの屋上に立つ私は、歪な街並みを一望する。

 召喚魔術の連発で築き上げた都市だ。

 景観も何もあったものではない。


 必要に応じて建物を地球から取り寄せてきただけであった。

 アスファルトの地面が続く場所があれば、剥き出しのクレーターとなっている地点も多い。

 土木作業を専門とする人間が整地計画も進めているので、いずれ改善されるだろう。

 物資を与えているのは私だが、それらを上手く活用しているのは間違いなく住人達だった。


(向こうも準備を進めているな)


 私は双眼鏡で都市の外側にあたる場所に注目する。


 荒野の名残が目立つそこには、いくつもの倉庫やガレージがあった。

 その辺りを軍人達が歩き回っており、戦車や戦闘機も稼働している。


 あそこは軍事基地だ。

 この二週間で私が召喚してきた戦力である。


 世界各国から集めてきた精鋭で構成されていた。

 当初は混乱していた彼らも、状況を受け入れている。


 元凶である私に恨みを抱いている者も多いが、召喚魔術による爆撃を披露したら大人しく従ってくれた。

 以来、互いに良い関係を維持できていると言えよう。

 今後の作戦の立案も任せており、大変頼りにさせてもらっている。 


 彼らも馬鹿ではない。

 力の差くらいは理解できるのだ。

 無限の軍事力を持つ殺人鬼よりも、異世界の英雄達と殺し合う方がマシだと考えたらしい。

 彼らの賢明な判断には賛辞を送りたいものである。


「いよいよ戦争らしくなってきたじゃないか……」


 私は堪え切れない喜びを覚えていた。

 この場にはいないが、ジェシカも同じ気持ちだろう。


 せっかくの大戦争なのだ。

 何もかもを巻き込んで、素晴らしい体験にしたいと思う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >無限の軍事力を持つ殺人鬼よりも、異世界の英雄達と殺し合う方がマシだと考えたらしい。 >彼らの賢明な判断には賛辞を送りたいものである。 ……(乾いた笑い) [一言] 続きも楽しみにしてい…
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