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召喚術師と白聖女 ~転生した殺人カップルは異世界ハネムーンを満喫する~  作者: 結城 からく


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第57話 殺人カップルは異世界人を迎える

(無事に成功したようだ)


 現れたのは地球の人々だった。

 ショッピングモールの召喚に巻き込まれた被害者達である。

 設定次第で弾くことができたが、今回はしっかりと追従してもらった。

 彼らの境遇には同情せざるを得ない。

 私だって同じ状況なら驚いてしまう。


 私の召喚魔術は、何も無機物だけが対象というわけではない。

 魔力消費さえ度外視すれば、このように異世界の人々を呼び出すことも可能だった。

 もっとも、これだけの人数を一度に召喚できるのは私くらいだろう。

 常人が真似すれば魔力不足で惨死するか、空間が破綻して何もかもが吹き飛ぶことになる。


 私はモール内から出てきた人々の前に立つと、両手を広げて優雅に一礼してみせた。


「ようこそ異世界へ。まずは話を聞いてもらえるかな」


 対する人々の反応はなかなかに冷酷だった。

 数秒ほど呆然とした彼らは、次の瞬間には怒声を飛ばしてくる。


「一体どういうことだっ! あんた達は誰だ!」


「そもそもここはどこだよっ!」


「これから仕事があるんだ。早く帰らせてくれ!」


 せっかく挨拶したというのに、こちらの好意を台無しにするリアクションだ。

 よほど困惑しているのだろう。

 置かれた状況に疑問を持たず、ただ不満をぶつけてくる。

 いや、本能的に理解を拒んでいるのか。

 こちらに殴りかかってこないのは、寸前で理性が働いているからだろう。


 あちこちから飛んでくる文句と罵詈雑言を前に、ジェシカは首を振って苦笑した。


「聞いていないわ。混乱しているみたい」


「そうだね。予想通りだったよ」


 見ればモール内も騒がしい。

 窓から外の景色を見る人々は驚愕し、突然の事態に慌てふためいているようだった。


 これは何を言っても伝わらないだろう。

 大人数になって気が大きくなっている。

 だから発言以外で鎮めようと思う。


 私は片手に短機関銃を召喚し、空に向かって連射した。

 弾倉が空になるまで撃ち切る。

 そして、ぎょっとする人々に向けて殺気を込めた。


「落ち着いて、話を聞いてほしい。危害を加えるつもりはない。まあ君達の行動次第だが」


 私は言い聞かせるように伝える。

 それだけで人々は震え上がって沈黙した。

 理想の反応が見れたところで、私は手を打って短機関銃を消す。


「結構。諸々の説明はモール内の放送で行うとしよう。慌てず騒がず戻りたまえ」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 冒頭の説明文から推察すると、(フレッドと同時空面に存在するという意味で) 『現在』の地球から召喚した様ですね。地球側では大騒ぎになっているに違いない。 強制召喚された人達の中には、フ…
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