第47話 殺人カップルは有言実行する
我々はとある共和国の首都にいた。
超高度の上空からヘリで侵入したのである。
そこからパラシュートもなしに機外へダイブする。
墜落するヘリを横目に、ジェシカが魔術を起動した。
それに合わせて我々の背中から光の翼が生まれる。
こちらの意思に従って動いて、落下速度を調節できるようになった。
そのまま猛速で地上に突き進む。
共和国の中央施設に迫ると、天井を爆撃で吹き飛ばして風穴を作って室内に突入した。
ジェシカの魔術が物理法則を否定し、落下の衝撃は周囲に押し出されて衝撃波と化す。
突然の登場に人々は驚きながらも吹き飛んだ。
そんな中、我々は悠々と翼を解除して武器を構える。
「やあ、お邪魔するよ」
挨拶混じりに放ったリボルバーの弾丸が、跳弾を繰り返しながら兵士を虐殺する。
頭部や心臓を撃ち抜かれた者達は混乱するままに絶命していった。
濛々と舞い上がる土煙の向こうでは、悲鳴や断末魔が上がる。
それらが彼らの現在地を知らせてくれる。
私は返答代わりに弾丸をプレゼントするだけだった。
我々は室内の人間を死体に変えながら進んでいく。
事前情報が正しければ、ここが共和国の心臓部らしい。
言うなれば王城みたいなものだ。
国の重鎮が集まり、共和国の方針を決めているそうだ。
今日は彼らに魔王討滅と、新たな魔王の誕生を伝えに来た。
きっと驚いてもらえるはずだ。
サプライズしたいと思っていきなりの訪問になってしまったが、まあ快く受け入れてくれるだろう。
「何者だ貴様!」
「新しい魔王だ。存分に歓迎したまえ」
ショットガンの三連射により、立ちはだかる兵士を蜂の巣にする。
死体を踏み越えてさらに連射し、弾が無くなれば新たな銃を召喚した。
バリケードや施錠された扉は爆発物で吹き飛ばす。
魔王との戦いで召喚魔術の扱いにも磨きがかかった気がする。
なんとなくキレが上がった感じがあった。
やはり技能とは使い込むほどに成長するようだ。
「キャハッ」
ジェシカの甲高い笑い声が響く。
突風のようなスピードで駆け出した彼女は、駆け付ける兵士を無差別に殺戮する。
鉈や斧で次々と首を刎ね飛ばしていく。
もはや芸術の域に達した手際だった。
彼女の前では、兵士達など命を捧げているも同然である。
それが当たり前かのように死んでいく。
「なんて美しい……」
私は足を止めて感動する。
涙が流れてきそうだが、生憎とそのような場合ではない。
彼女に引けを取らないスコアを叩き出すのが私の役目である。
背後から迫る暗殺者を銃殺しつつ、私は意気揚々と笑った。




