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召喚術師と白聖女 ~転生した殺人カップルは異世界ハネムーンを満喫する~  作者: 結城 からく


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第46話 殺人カップルは次の目的を考える

 名残惜しそうに私から離れたジェシカは清々しそうに深呼吸する。

 その場で踊るような動きを見せた後、首を曲げて私に尋ねた。


「ところで、これからどうするの? 魔王も死んじゃったけど」


「ふむ、考えていなかったな」


 今更ながらそこに気付く。

 魔王との対決がメインディッシュだったわけだが、想像以上に破壊の限りを尽くすことになった。

 おかげで少し前まで君臨していた魔王城は跡形もなく消滅している。

 さすがに十万発のミサイル爆撃には耐え切れなかったのだ。


(なかなかに芸術的な造形だったのだがね)


 内装もそれなりに整っていたのではないか。

 場合によっては城内を巡ってみたかったものの、作戦の都合で実現できなくなってしまった。


 辺り一帯に視野を広げてみるが、荒れ果てた大地が延々と広がるばかりだ。

 本当に何もない。

 すべてが死に絶えた土地である。

 我々はそんな場所にいた。


(この分だと生き残りもいないだろう)


 魔王軍の残党が城にいたかもしれないが、とっくに死んだ。

 付近にもそれらしき気配は見当たらない。

 ジェシカが感知系の魔術を使っても同様の結果になるだろう。


 この地は死体だけの寂しい場所となった。

 世界征服を目論む悪の軍団は、今日を境に瓦解した。

 各地にはまだ残党がいるだろうが、今は関係ない。

 少なくとも本拠地が壊滅したのは確かだった。


(他の国へ向かうか。いや、それだけだとつまらんな)


 私は腕組みをして唸り、次の目的を考える。

 せっかくの異世界旅行なのだ。

 自由に暮らすにしても、何らかの指標や方針が欲しいところだった。


 どうせなら生産性のあることに挑戦してもいい。

 殺し甲斐のある存在を探すにしても、その頂点を仕留めたばかりである。

 優先事項としてはやや低めとなってしまう。


「……ん?」


 色々と考えているうちに、私はふと妙案を閃く。

 それを脳内で吟味し、気が付けば微笑を湛えていた。


「悪くない案だ」


「何か思いついたの?」


「ああ、しばらくは楽しめそうなアイデアだよ」


 私はジェシカの前に移動すると、芝居めいた動作を以て話を切り出す。


「まず各国に二つの通達を行う」


 私は二本の指を立てる。

 ジェシカは興味津々といった様子で頷いた。


「一つ目は我々が魔王を倒したこと。直接出向いて伝えるのがベストだろう。信じさせる方法はいくらでもある」


「私達がやったって知られても大丈夫なの?」


「問題ないさ。むしろ好都合だ。その方がきっと盛り上がる」


「じゃあ二つ目の通達事項は何かしら」


「クイズ形式で予想してみるかい?」


「もう、焦らさないで。ダーリンの悪い癖よ」


 ジェシカが頬を膨らませて怒る。

 そんな彼女に謝りつつ、私はアイデアの本題を告げた。


「――我々が次の魔王になる。それを世界中に発表しようと思う」

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― 新着の感想 ―
[良い点] >次の目的 使命感で目的に向かって邁進した某賢者と違い、 同じ目的に娯楽として向かうこの殺人カップルの様なパターンはあまり例が無いのではと思います。 (少なくとも私は類似例を知りません)…
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