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次郎坊さんと20年

会話文だけです。

読者の皆さんの想像力が試される(試すな)!

「「「乾杯!」」」


「いやはや、仕事終わりはビールに限りますな!」

「藤よ…そういう割にはあまり飲まないんだな」

「次郎坊さん!それはその…」

「ああ、藤君はビールが苦手なんですよ」

「そうなのか?」

「美里ちゃん、内緒にするって話だったじゃないか!」

「だって、藤君…かっこ悪いもん」

「うわぁ…それ言っちゃう?」

「言っちゃった」

「藤も美里も仲がいいんだな」

「こんなのと仲良しに見られるなんて、私、心外ですよ」

「美里ちゃん…酷いよ」

「まぁ藤よ、ビールが飲めないなら、わざわざ無理することもない。俺だって、若い頃は蜂蜜が苦手だった」

「「何それ、意外…」」

「苦手な物は1つや2つあるもんだ」

「次郎坊さんは克服したんすか?」

「…………」

「「今もダメなのか」」

「美里もあるんじゃないのか?」

「藤君が苦手です」

「やっぱり俺への当たりが強いよ」

「あれだ。好きと嫌いは紙一重だからな」

「次郎坊さん…!」

「すみませーん。焼き鳥セット…蜂蜜ダレで」

「なっ!美里、お前は…」

「美里ちゃんってSですよね」

「さぁ?今日は皆で克服大会でもいかがです?」

「あまり50歳をいじめんでくれ。こう見えてガラスのハートだからな」

「説得力がないですよ?」

「そうそう。次郎坊さんは意地悪課長から俺らを守ってくれる神様なんですから」

「伸び盛りの若者を不当な扱いをして、その芽を摘むわけにはいかんからな」

「「次郎坊さん、尊敬ですわぁ」」

「俺を褒めても何も出てこんぞ。出世街道から落ちてしまったんでな」

「次郎坊さんは藤君と違って、仕事もできますし、私達後輩にも良くしてくれます。尊敬する先輩ですよ」

「結婚してないのが不思議なくらい、次郎坊さんっていろいろイケメンだと思うんですけど…」

「結婚?今更、こんな老いぼれに良縁なんてこんさ」

「俺の妹なんてどうっすか?」


「お待たせしました!焼き鳥セット、蜂蜜ダレでーす」


「妹ってことは…」

「22です」

「若いな…」

「次郎坊さんなら大丈夫っすよ!」

「遠慮させてもらう。というか、自分の親と同世代の旦那はないだろう」

「チッチッチッチッ、もう年の差婚も寛容的だと思いますよ?時代は日々進歩しているんですから。ねぇ美里ちゃん?」

「………」

「ん、美里どうした?」

「結婚したいなら、私としたらいいんですよ」

「次郎坊さん…」

「あぁ、これは…」

「私と結婚したらいいんです!」

「「酔ってるな」」

「酔ってない!」

「美里はこんなに酒弱かったのか…」

「酔ってる美里ちゃんもいい!」

「私、次郎坊さんのこと好きですよ?」

「そうか。じゃあ…俺にその焼き鳥を向けるのをやめてくれないか?」

「次郎坊さん、あーん」

「酔ってもSなところもいい!」

「あーん」

「あ、あーん…」

「次郎坊さんも優しい!」

「甘っ…って、藤よ、注文したもんは早いうちに食っておけ。美里が潰れる前に撤収すんぞ」

「アイアイサー」

「まったく、可愛い後輩達め…水もらえますか?」

登場人物

如月 次郎坊 50歳

「趣味?趣味は……読書?いやすまん!気の利いたコメントが用意できんかったな!」


藤 武雄 27歳

「趣味っすか?自分で言うのもあれですけど、俺はパリピなんで、みんなと遊ぶことだな」


美里 春子 24歳

「趣味ですか?次郎坊さんは何て?……そう。私も読書で。気が合っちゃった」

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