日本で一番静かな一分間
せめて「忘れない」ためにその一分間、祈ります。
その日その時、私は丁度飛行機の中だった。情報が遮断されたその場から降りて、初めて地震の事をしった。日本中が震撼する中、飛行機の中だけが揺れなかった…。
家へと帰る車の中、今まで何回も起きたような唯の地震だとおもっていた。実際は、思いがけない程大きな地震で…、その大きさ、被害が痛ましい。
14時46分。
これまでの三回とも、職場で過ごした祈りの時を、今年は家の中で迎える。
ブザーの音と共に、
庁舎で、会社で、学校で、
公園で、家の中で、慰霊碑の前で、思い出の場所で、
仕事中の人も、勉強中の人も、育児中の人も、
あらゆる人が祈るだろう。
その一分間、被災者とその地を想い、目を閉じ項垂れる。出来ることはすくないが、せめて「忘れない」ために。日本で一番静かな一分間であることを願って。
……
ガラガラッ。キンコーン。ガチャ。
「ただいまー」
娘が帰ってきた。
また、改たに日常が開始する。