第七話 警戒心の行き所が違う
新キャラ登場!
頭のネジはポロッポロ!
すっこーしのアクシデント?は、あったものの、無事に街の目の前まできました。
あの商人たちは結局、よくわかんない顔のまま引き返さずに行った。
俺の作戦のおかげだな!ドヤァ!
で、話は戻るわけだが、目の前の街はかなりでかい。遠目では大きさがよくわからなかったが、近づくにつれてかなりと大きさがある事がわかりますた。
つーかこれ、もはや街ってレベルじゃねぇな。なんか壁が進○の巨人みたい。
もちろん、壁があるなら入り口みたいなでかい門があるわけで、見張りの兵士みたいなのがいる。さっきの商人たちのリアクションを見るに、おれは結構危険な魔物らしい。うむ。
種族はサージェントウルフっていうらしい。あ、なんかほんのり厨二っぽい。
おそらくあの兵士に見つかったらそこそこの騒ぎになると思われるので、今は茂みの中に隠れている。でも、今回は別にうさちゃんを狩るわけではないので、だいぶリラックスモードな体勢になっている。
さて、どうしよう。多分街の中には入れないだろうしなー。帰ろっかなー。
うん?後ろになんか気配が……まさか見つかっちゃった?と思い、後ろを振り返ると…
!!!!?????
すぐ後ろに、こちらをじっと見ている男がいた。
「ガォウンっ!?」
驚きのあまり、変な鳴き方を出してしまった。すると男は…
「ははは、間抜けな狼だなぁ。」
笑っていた。
は?なぜ怖がらない?狼だぜ?俺。しかも逃げる様子もない。そもそもなんでこんなところにいる?
「いやー、珍しいなこれは。サージェントウルフ自体そんなに見ないのに、その上希少種ときたもんだ。しかもなぜかこうしているのに、襲われない。お?その背中にあるのは……少し見せてくれないか?」
と、手を伸ばしてきたので、俺はつい反射的に避けてしまう。
てめぇ!これは俺のデザートじゃい!渡さねえぞ!
「ガゥッ!アゥオゥガッ!ガァオッ!」
「おっと失礼。ごめんよ。いや、別に盗ろうってわけじゃないんだ。ただ、少し中身とそのポーチを見せて欲しくてさ。」
ほんとか?いいだろう。信じてやるぜ。ただ、少しでも中身を食ったらパンチだからな!覚悟しとけ!
俺は背中のポーチをこいつに見せるように、背中から外して渡した。
「おおっ!その狼の体でも自分で外したり出来るのか!なるほど、地面に寝っ転がって背負うわけだな。」
「どれどれ、まず中身は…と、おお!ナバルの実か!という事は、君は西の森からきたのかい?この実は西にしか生えないんだ。」
ほへー、そうなんか。て事は俺がいた場所はその西の森になるわけよね。て事でYes!の意味で頷いとくか。
「コクッ。」
「おお。やっぱり。ていうか、言葉通じてるよね?」
「コクッ。」
「これはすごい!知性の高い魔物はいるが、言葉の通じる魔物は初めてだ!なんとなく昼寝をしていて、こんな出会いがあるとは!起きた時に君の背中を見て、つい真後ろで観察してしまったが、そのおかげでこうしていられるわけだ!たまには昼寝もしてみるもんだねぇ!」
うーむ………何やらめんどくさい奴に見つかったようだ。てかこいつ、なんで外で昼寝してんじゃい。外は魔物がいるだろうに。たまたま会ったのが俺だったからよかったものの、他の魔物なら食われてたかもしれないんだぜ、おまえ。命拾いしたな!
ていうか、サージェントウルフである俺を恐れるどころか、むしろ興味を抱いて近づくとか、アホだろ。
まぁとにかく、こういう人間がいて助かった。みんながみんな俺を恐れていたんじゃぁ、俺一生ぼっちだったかもしれないし。あぁ?彼女ォ?できた事ねぇよ!
とにかく、こういう人間がいたって事を知る事ができただけでも、大きな収穫だ。いや、こういう人間はこいつだけかもしれんけど!
多分こいつだけだな。こういうアホは。
というわけで、俺は帰る!なんでかはしれないけど、帰り道はわかるしな!
「おや?帰るのかい?ならばこのポーチを返そう。いやぁ、いい出会いだった。できれば君との交流は今後も続けていきたい。何かあったら、この場所に来てそこの岩を叩くといい。そうすればすぐ僕に会える。ちなみに僕の名前はフィルト、呼べるのならフィルと呼んでくれ。」
「ガウッ。」
なるほど、また気が向いたら来てみよう。何か貰えるかもしれないだろうしね。じゃぁ、ポーチを背負って、と。
「じゃあね!また会える日を楽しみにしておくよ。あと、ナバルの実ありがとう!美味しかったよ!」
そういってフィルは、ナバルの実の皮を見せてきて……ん?
あっ、てめぇ!この野郎!勝手に食いやがったな!食うなっつってんのに!パンチの刑だオラァ!
そして俺はフィルに猫パンチ、もとい狼パンチの連打を浴びせた。彼はただ、笑っていた。
たまに思うんですよ。
アン○ンマンって、
あんぱん男じゃないですか。
タンタンメンって、
淡々とした男共なんでしょうかね?