第三話 張り切っていた割にはそんなにやんない
結論から言おう!生肉もとい、うさぎのユッケは普通に食えた。やはり、体の作りが違うせいか、普通に美味かった。しかし、やはりなんというか…こう、ねぇ?人間の時の感覚が残ってるわけよ。つまり何が言いたいかっていうと!
焼肉食いてぇ!!!
ってなるわけよ。
やっぱ普通に食えたとしても、肉は焼いたほうが美味いに決まっておろう!焼くしかないっしょ!よし、焼こう!
と思ったが、そもそも火が無いし、火を起こす方法もわからん。ので、焼肉をするというのはしばらく先になりそうだ。チクショぉ!
食物の確保法は確立したわけなので、ひとまず俺は寝床を作る事にした。いや、寝床といっちゃぁ、味気がない!ズバリ、夢のマイホームをこしらえるのだ!!
ふふふ、前々からこういう事には憧れていたのだ。もともと作ったりする事は好きだし、得意な方だ!小一の頃から図画工作は満点だったし、趣味で模型を作ったりもする!ゲームだってマイ◯クラフ◯をやりまくっている!
では、さっそく作るのにいい場所を探そう!
かれこれ歩いて4時間ほど、なんだかんだでいい感じの洞穴を見つけた。俺はねぇ、見た瞬間確信を得たよ。
KOKODA!!!ってね!!
というわけで、この洞穴に住む前にまず、先住民がいないか中を確認した。ふむ、一応何かがいる気配も形跡もないな。状態もなかなかいいし、住むにはちょうどいいかもしれん。よし!君に決めた!!!
某スーパーマサラ人の決め台詞を吐いたところで、俺は早速マイホームの製作に取り掛かる。構想としては、完全に扉を締め切ったりはせず、元の洞穴感を生かした作りにしたいと思う。まずは入り口…と行きたいところだが、特に何かを帰る必要もないのでパス。というわけで、人類を堕落の道へと誘う究極の物体、ベッドを作ろう。
まずは外で取ってきた枯れ草を引き、途中で何匹か狩った獣の皮を被せる。いやぁ、こいつなかなか強かったんだよなぁー。見た目はクマっぽいんだけど、腕がなんか4本あって、そのうち一本がなんかやたらとでかかった。言うなれば、片方のハサミだけがでかいカニみたいな感じかな。まぁそれは置いといて、その周りを石で囲めば完成!早い!素早いの三拍子!あ、二だ。
そしてつぎに、水飲み場。狼特有の嗅覚の鋭さのおかげで、壁から水の匂いがする。それを辿ればどこから水が湧き出すのかがわかる。うん、ここだ。よし、掘れ!おれ!
ザクザクガリッ、ザッザッザッ、ジョバァ!
おおっ、結構キレイな水じゃないか。ぱっと見大丈夫そうだし、飲み水はオーケィ。まぁ、外に川があるから渇く事はないんだけど、いちいち外に行くのは正直だるい。
このままだとただ水が出てるだけなので、石を彫って作った筒を半分に切ったような形のものを、水が出ている場所のちょい下に刺す!デュクシっ!お、ちゃんと水が伝ってきてる。そうすると、あらかじめ作っておいた水を溜めておける穴に水が注がれる。水が溢れてきたら、ちゃんと外に流れるようになっているので、大丈夫だ。
と、ここまで来て気が付いた。
あれ?なんかもう、意外とこれでよくね?
マイホームの完成!!!!
もう完成!!!
いや、この後もちょくちょく何かは作っていくと思いますよ、この主人公。多分!