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テンプレ転生(ただし魔物)  作者: 煉獄のちくわ
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十六話 知ってると思うけど、あの二匹なんだ

今回、久々の投稿です。

そして、初の別視点です。

時間軸的には、ゴローとルーペがフィルのところに行って、帰ってくる時って感じかなぁ?(ザックリ、ザクザク)

私の名前はポルト・レメズ。みんな、ポルって呼んでいます。珍しいことではありませんが、私のお家は貧しいです。野菜などを作って生活していたんですが、長い長い干ばつのせいで作物が全然育たないんです。そこで、手っ取り早くお金を稼げるっていう冒険者になったんですよ、私。


もともと畑仕事の手伝いをしていたので、体力と握力には自信があります。でも戦い方はからっきしで、ランクはもちろんF。そんな素人は高い報酬金のでる討伐系の依頼を受けることができないんです。いちおう弱い魔物の撃退などの依頼はありますが、そんな報酬金では全然足りません。とはいっても、そういった依頼をこなしていかなければランクが上がらず、報酬金の高い依頼を受けることができません。なのでランクを上げるため、コツコツと依頼を達成する日々を送っています。報酬金の一部は家族に送って、残りで宿代などを支払って生活しています。


さて、今日も依頼を受けに行きます。家族のためにも、早くランクを上げないと。



彼女、ポルトが向かうのは俗に言う冒険者ギルドで、その名の通り冒険者向けの依頼を扱っている場所だ。彼女が泊まっているのは『うさぎの牙亭』(通称、うさキバ亭)という名の宿であり、値段の割に良いサービスと金のない冒険者に人気の宿だ。本来であれば、ポルトのような田舎者は街での常識を知らないため、そういった人種をカモにしている悪徳な宿に狙われる。だが、彼女は運が良かった。うさキバ亭の経営者である女将さんは快活な人で、宿泊者からも人気のある人物だ。また世話焼きで、世間知らずなポルトに色々と常識を教えた。


「おや、ポルちゃん。また冒険者ギルドに行くのかい?」

「はい、はやくランクを上げて家族に楽をさせたいので。」

「相変わらず良い子だねぇ。気をつけて行くんだよ!」

「はい!いってきます!」


冒険者ギルドはうさキバ亭から10分ほどの距離にあり、比較的近い場所にある。途中の道のりでは屋台などがでており、チキチキ肉の串焼きの匂いを漂わせている。人ごみを避けながら、ポルトはチキチキ肉の誘惑に負けずに冒険者ギルドを目指す。


歩くこと10分、彼女は冒険者ギルドに着いた。外観はなかなかの大きさであり、中からは酒の匂いがする。すこし軋むドアを開けて中に入ると、むっとするような酒の匂いが鼻にくる。ポルトはやや顔をしかめながら、クエストボードに向かっていく。クエストボードには依頼の紙が張り出されていて、その中から自分にあった依頼を選び、カウンターに持っていくわけだ。そこで、彼女に野太い声がかかる。


「おーい!ポルちゃんじゃねぇか!一緒に酒でも飲まねぇか?」


声をかけた人物は大柄な男で、テーブルに並べられた酒を飲んでいる。すでに顔は真っ赤で、そうとう酔っているようだ。

「よせよ、ポルちゃんは今依頼を受けるところなんだから。」

「いいじゃねぇかよ!ちょっとくらいよぉ!どうだ?ポルちゃんよぉ、ちょっとでいいんだ、付き合ってくれよぉ!」

「すみません、実はこれから依頼を受けるところでして、持ち合わせもないんです。」

「ほらな、言った通りじゃないか。ポルちゃんはお前と違って忙しいんだよ。あきらめな。」

「ちっ、しょうがねぇなぁ・・・。いつかは酒に付き合ってくれよ!依頼、頑張ってきな!」

「はい!ありがとうございます!お金に余裕ができたら付き合わさせてもらいますね!」


そうして彼女はクエストボードに向き合い、手頃な依頼を探していく。


「う〜ん、やっぱり手頃なのはゴブリンの撃退かペットの捜索かなぁ…。でもこの前ペットの捜索失敗したからなぁ…。やっぱりゴブリンかな?」

などと、ゴブリン撃退の依頼に決めようとした時、ギルドの職員が新たな依頼をクエストボードに持ってきた。どうせまたゴブリンかなにかの依頼だろう、と思いながらもなんとなくその紙を手にし、内容を見てポルトは驚いた。


「えっ!?西の森の探索だけで300ルード!?しかも私のランクでも受けれる!」

その依頼の内容は、こうだ。

《西の森の探索》

『最近、西の森でなにか異変が起きている。比較的低ランクな魔物のでる場所なはずたが、ランクC相当の魔物がでた。そいつの名は四腕巨熊(フォーアームビックベアー)で、腕が一本巨大化している異常種だ。そいつのせいで商人たちのルートが危険なものになっていた。しかし、そんな強力な魔物が先日、死骸となって発見された。ナイフで切り裂かれたかのような傷跡があり、周りの木々などの状態からみてほとんど一方的に殺されたようだ。つまり、四腕巨熊を圧倒するほどの魔物が生息しているというわけだ。また先日、西の森の方向から魔物の咆哮のようなものが聞こえた。しかも、一体ではなく二体分確認された。西の森には何かがいる。そいつの痕跡を見つけ、正体を突き詰めてくれ。』


この依頼は、痕跡だけでも確認することができれば報酬の3分の1がもらうことができ、正体を確認することができれば全額もらえるというものだ。つまり、安全策で行っても100ルードはもらえるというわけだ。

ちなみにだが、1ルードの価値は日本円でいうと100ほどであり、100ルードというのは約1万円である。普段のポルトがこなす依頼の報酬が2、30ルードであることを考えると、かなり高額な報酬であるといえる。今、彼女には金が必要だ。彼女は速攻で、この依頼を受けた。


「すみません!この依頼を受けたいんですけど。」

「はい、了解しました。依頼達成の期限は3日間となっておりますので、気をつけてください。」

「はい、わかりました。」


こうして、彼女は西の森である『エポナの森』へと向かうことになった。

彼女はさっそく街の門をくぐり、外へと出た。腰には新米冒険者に人気の「初心の剣」を下げている。馬車などはでないので、歩いて行くことになった。距離にして約3キロ、それを1時間ほど歩き、ポルトはエポナの森へと着いた。彼女は警戒しながらも、森の中へと入っていく。そして、入って30分ほど。いきなり怪しいものを彼女は見つける。

「焚き火の跡…?そして洞穴がある。」中に何かいるのかな…?」


恐る恐る、彼女は洞穴の中を覗いた。


「すいませーん。誰かいますかー?」


こっそりもなにもあったものではないが、彼女は中に人がいないか確認すると、中へと入っていった。

「これは…寝床?草がひいてありますね。その上にあるのは毛皮…?もしかして、これが四腕巨熊の皮…!?だとしたらここが例の何かの住処…!?」

そこで、彼女は考え直す。

(いや、ならさっきの焚き火の跡が気になるわね…。だとしたら人間が住んでるのかなぁ?)


と、考えていても仕方がないと判断したのか、彼女はとりあえず洞穴から出ることにし。

そして、洞穴から出るとそこには…


「っ!?」







サージェントウルフとクイントドラゴンがいた。








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