第九話 これって不法侵入
ヤキニクゥ…ウマカッタヨォ…
いやー、うましうまし、いとうまし。やたらうまかった。生のままでもそこそこいけたけど、焼くとまた別格だわぁー。火を通すだけでこんなに違うとは…フフフ、食の道は奥深い…!
まぁ、肉の感想はここまでにして、結構重要な感じの出来事を話ませう。
まず、話す事ができるようになりましたぁー。わーい。拍手〜。
と言っても、音声ではなくて念話とかいうものらしいんだけど、どういうものかっていうと読んで字のごとく、念じて話す!まぁ、みんながだいたいイメージしてる感じであってると思う。ただ、ちょっと違うのが特定の相手だけに念話が通じる訳じゃなくて、普通の音声みたいに届く範囲の生物全員に聞こえるものらしい。あ、らしいっていうのは、このスキルを習得したときに、それに関する知識が頭の中に刷り込まれたからだ。つまり、普通の音声とさほど変わらないのだとか。そうだな、例えるとしたら某携帯獣のルカ○オみたいな感じかな。
ちなみに、訓練次第ではみんなのイメージの念話のように、特定の相手だけに話しかける事もできるらしい。場合によっては必要な事かもね。チェスをやってるときとか、こっそり宿題を見せて欲しい時とか、みんなに言えない内緒話とか………考えつくのがいちいちせこいな…。
とにかく、俺は喋る狼としてデビューしたわけなのです。テレビで受けそうだ!
まぁそれよりも聞いてくれ。焼肉を食い終わった後、寝床に戻ろうとしてマイホームに戻ったわけですよ。そしたらね?なーんかおれのベットに、なーにかあるなーと思って見てみたらね?
ドラゴンがいました。
おう、イエス。Dragon
ベリィファンタジー。
イッツ ア スモールワールド。
さて、一旦落ち着こう。よく見てみろ、俺。そこにいるのはなんだ?ドラゴンだな。
しかし、よく見て見ると傷だらけで、うずくまるようにして眠っていた。うぅーん、つまりあれだな。襲われて逃げていたところに、ちょうどいい寝床があったから使った、と。
貴様!おれの聖地を返せぇ!
と叫びたいところだったが、弱っている相手にそこまで言う俺じゃない。鬼畜ではないのだ、俺は。
それに、よく見てみるとなかなかかわいいじゃないか。この凛々しい横顔!立派な羽!しなやかな尻尾!て言えるくらいには成長するのかな?多分こいつ子供だな。
うーん、どうしよっかなぁ…とにかく、寝てる相手にはあれだな。毛布代わりの毛皮でも被せとくか。
オラッ!バサッ!
よーし、これでオッケィ。ばあちゃんに寝てる奴にはこうしておけって言われたらな!
それじゃあ俺は、その横あたりで寝ますか。
かれくさはまだあるし、それをひいて、と。毛皮もあるから使うか。
さて、それではおやすみ。私は現実を超越した世界へたびだつ!さらばだっ!
「もう夏は終わった!!秋ダァーッ!」
って叫んでいたら、
「いや、まだ夏だよ。」
というつっこみとともに、鋭い蹴りを入れられました。
何故だ。