隣の家は…
隣の家のおばさんが言った。
「今度、バーベキューしない?」
「うん。」
僕は答える。
「いい肉が手に入りそうなのよね。」
「そうなんだー、楽しみ!で、いつするの?お母さんとお父さんもいいよね?」
「お母さんとお父さん…、そうだね。食べようね。」
おばさんは、そう言った。
「でも、お母さん達の都合もあるから、聞いてきてくれる?」
「分かった!」
おばさんは、とてもいい人だ。おじさんとも仲が良い。でも、子供がいないらしい。それが理由かわからないけど、すごく僕に優しい。
その夜、僕はお母さん達に聞いて、今度の日曜日にすることになった。
土曜日の夜、僕は楽しみで寝れずに起きていた。玄関の方で、物音がした。でも、さすがに時間が遅かったから、寝ることにした。
次の日の昼前におばさんが家に来た。僕は眠くて出なかった。玄関の方で、ガチャガチャと鍵を開けるような音がした。
「お邪魔しまーす。」
「おばさん、どうしたの?」
「鍵が開いていたから。」
「へー。で、どうしたの?お母さん達、まだ寝てるかな?」
「お母さん達なら、もういっちゃったよ。」
「そうなんだ。」
「おばさん達もう用意終わったんだけど、他に食べたいものある?」
「ううん。大丈夫。」
「そう…。」
僕は着替えて、おばさんの家の庭に行った。そこには、大きな肉の塊が2つ置いてあった。
「美味しそう!」
「お母さん達は、足りないものを買いに行ってもらったから、いずれ来ると思うよ。」
「うん。分かった!ねぇ、食べていいかな?」
僕は、待ちきれずに食べることにした。
「いただきまーす。」
「どうぞ。美味しい?」
「うん。すごく美味しい。」
「よかった…。」
…それから、お母さん達は帰って来なかった。