悪魔になれない××
十月三十一日、今日はハロウィーン。吸血鬼やゾンビ、悪魔が地上に降り立つ日。今年も、ジャック・オー・ランタンの魔除けなんてお構い無しに、沢山の悪霊達が夜の街をさ迷っています。
さて、ここに悪魔が一匹。名前はルエル、まだ少年の、小さな悪魔です。この悪魔――私達人間とそっくりです――が何をするのかと言うと、人の心を読み取り、魂を吸いとって捕らえてしまうのです。
しかし、それらが全て邪悪な考えを持ち、人間を殺してしまおうと考えているわけではありません。人間と悪魔、二つの種族の間で揺れ動き悩んでいる悪魔だっているのです。特に、
「おい早く帰るぞ、あと六日あるんだ、しゃんとしろよ!」
「帰るのに走る必要ってあるんですか!?」
「うるさい、お前はどっちかっていうと俺の部下だろうが、指示に従え!」
「パートナー同士の権限はこれを平等とするって、教科書に書いてあったんですけど!?」
「んなもんは知らん、お前と俺が同等なわけねーだろ」
「いや、あ、そうですけど!
――特に、ルエルとロゼア、この二人の悪魔は、皆さんが普段想像しているような「悪魔」にはなれないでしょう。そんな悪魔たちがいることも、知っておいてください。
もうすぐハロウィーンもおわり。あと少しもしたら、不思議な出来事もみんなおしまいです。まあ、悪魔たちは、きっとどこかにはいるのでしょうけれど、ね。
Fin.
やっと終了いたしました、ありがとうございました。
……計算的には二日遅れなんですけどね……なんだったんだろう、一日一更新……