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死神さん  作者: もか
第1章「双子のはなし」
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9話「残りの時間」

「はぁ、どうすればいいんだろう」

海音のためにできること………。

無理だ。そんな専門知識がない高校生に何ができる。

すごく引っかかる。アラタの言っていた事がモヤモヤする。

もうアラタは正解を教えてくれているんじゃないか。

アラタとの会話をさらに遡らせた。

初めて話した時、あの時はアラタが憎くて憎くて仕方なかった。

でも、今ではそんな感じはしない。

態度が変わったようには思えないけど。

「…‥残りの時間!」

ハッと思い出す。

アラタと初めて会った時、去り際にアラタは言った。

『残りの時間をどうするかはお前が決めることだ』

海音との残り時間………。

海音にはしたいことがたくさんあるだろう。

きっと海音の未来は変えられない。

でも、今からならその時まで何かできることがある。

海音の人生に悔いがないようにさせることが。

大丈夫だ。絶対に。

海音を笑顔にすることは朝陽の得意分野だから。


それから、海音と一つ一つやりたいことを叶えていった。

もちろんアラタのことを言えるわけではない。

成功率が低い手術。海音も死を覚悟しながら今を生きている。

だから海音も朝陽の話に乗ってくれた。

「おうちでパーティーに……」

「ゲームセンター!クレーンゲーム面白いよ!」

「へぇ〜そうなんだ。いつかやってみたいな」

海音はゲームセンターに行ったことはない。

音がうるさく、頭が痛くなるので行けなかった。

「LIVEとかも行きたいね。俺も行ったことないから」

「外出ばっかじゃん。まぁ分かるけど」

物語などでよく出る「死ぬまでにやりたいことノート」。

そのノートを書くのは朝陽だ。

海音の手は震え、上手く書けないから。

「けほっ、けほっ」

「大丈夫海音!?」

「う、うん。大丈夫」

そう返すものの、浅い息を繰り返し胸を掴む海音。

どんどん体が弱っていく海音を見て胸が痛くなる。

でもやりたいことを着実にやり遂げていった。

でも、時間はどんどん流れていく。

残りのやりたいこともキツくなっていき、海音はベッドから起き上がれなくなった。

そして、手術の日も近くなった。

「海音、おはよう」

「お、はよう」

「大丈夫?」

「う、ん」

「…………………」

海音が死ぬ。

あの時は現実的には考えられなかった。

でも今、目の前の情景を見て悟る。

もう、諦めるしかないと。


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