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死神さん  作者: もか
第1章「双子のはなし」
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7話「生きていたい」

「あ、さひ」

病室に入るや否や気まずそうに朝陽の名を呼ぶ海音。

「久しぶり、海音」

「ひさ、しぶり」

ぎこちなさそうに返し、目を逸らされる。

「海音、この前はごめん。俺のわがままなのに海音に付き合わせちゃって」

「……な、んで朝陽が謝るの?」

「え?」

海音が声を震わせながら言った。

「俺が死にたいって言ったから、命を軽くみたことがいけないのに。朝陽は何も悪くないよ、当たり前のこと言っただけだよ」

海音の言うとおりだ。でも、なぜか海音に謝らないと自分の気がすまなかったのだ。

「うん、そうだね。けど俺が海音を苦しめたことに変わりはないから謝った」

「なんでそういうところは真面目になるんだろうね」

ふふ、と微笑んだ海音を見て安心する。

「体調はどう?」

「前よりは大丈夫。このまま何もなければ前の病室に戻るって」

「そっか。とりあえず無理だけはしないでね」

「わかってるよ。朝陽は元気?」

「元気だよ」

「なんか、いっつもこの会話してない?」

「たしかに」

2人で笑い合う。

このじかんがずっと続いてほしかった。


「そろそろ帰らなきゃ」

いつの間にか時間が経っていて、帰らなければいけなくなった。

「あ、ねぇ朝陽」

「ん?」

海音に引き留められて上着を取ろうとした手を止める。

「あの事は、お母さんたちに言わないで」

「………うん、わかった」

なんとなく海音は言ってほしくないんだろうなって思ったから、まだ両親には言っていなかった。

「あとね、手術受けようと思う。まだ、生きていたいから」

自身の胸を掴み、海音が言う。

静かな決意を感じる声色に自然と目を見開いてしまう。

多分、他の理由もあるからだけど。

「うん、じゃあ明日看護師さんに言おうか」

「あ、お母さんたちにはちゃんと自分で言いたいから内緒にしてて」

「わかってるって」

「うん。じゃ、また明日」

「またね、海音」


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