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死神さん  作者: もか
第2章「死神と生贄のはなし」
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12話「代償」

呆れたようにアラタは、はぁ、とため息をつく。

「なんでそんなこと言うのかなぁ」

「え?」

アラタが何か言ったが、聞き取れず戸惑う。

「なんでもないよ。……本当になんでもきいてくれるんだよね」

「う、うん!」

若干後悔しつつ答えると、アラタは優の頭の上に手を置いた。

「……仲良くして欲しい子がいるんだ」

「誰?」

「俺のせいで嫌な思いをさせちゃった子。きっと仲良くなれるよ、ユウなら」

「…それは、誰のことなの?」

「……内緒」

「条件が鬼畜すぎるんだけど…」

「大丈夫だって。で、きいてくれるよね」

「……わかった。頑張って探し当ててやる!」

確証もなく意気込むと、アラタは申し訳なさそうな表情をした。

「実は、生贄なった人には代償を払ってもらわなきゃいけないんだ」

「代償?」

「ああ。内容は言えない。代償を払えばここから出れる。ただ、代償をどう捉えるかは自分次第だ」

「………」

代償。その言葉が、ずっしりと心に重く響く。

「生贄の役目は代償を払い、身を一定の期間捧げること。その一定期間を俺が受け継いでいる。結構話し込んじゃったね。そろそろ行こうか」

アラタがまた手を引き、歩き出す。

「……俺、本当は志木新って言うんだ。ここに来た時に捨てた名前だけど」

「え……?」

「ユウは言わなくて大丈夫。はい、このまままっすぐ進んで。ここでお別れ。あとは一人で行くんだよ」

笑顔でそう言い放つ新。

「え、でも……」

「いいからいいから。出会えてよかったよ、ありがとう。じゃあな」

心の中で確信する。もう、本当に会えないこと。だから本名を教えてくれたこと。……会えないというより、会わない方がいいこと。

「っ、またね!新!」

そう言って走り出す。

ナニカの叫び声、大きな足音、ただならぬ気配。

怖い。怖い。姿は見ていないのに、恐怖心がどんどん増す。

ごめんなさいごめんなさい、村のせいで。

心の中で何度も謝りながらひたすら走った。


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