表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神さん  作者: もか
第2章「死神と生贄のはなし」
28/30

10話「生贄」

「もし、俺が本当に"迷い込んだ子"ならいい。……生贄だとしたら、帰る方が迷惑じゃない?」

「え?」

「俺は生贄なんだから、身を捧げ続けなければならないと思うんだけど…違う?」

「…まぁ、そうだけど……大丈夫だって。これまでもこういうことあったし。それに、ユウは帰りたくないのか?」

そう言われ、ハッとした。"生贄"というワードによって自然と責任を背負ってしまったが、そもそも生贄になんてなりたくなかったし、普通はお互いが合意の上ですることだと思う。聞かれたら絶対断ってたけど。

でも、村の人たちが協力して生贄を差し出しているとすれば、両親もじいちゃんも、優を生贄にすることに許可を出したのだろう。その事実は受け入れ難い。

そう考えてしまうと、思考はどんどんマイナスへ向かってしまう。

自分は生贄のためだけに育てられたのではないか。だから優に話すこともなく、捧げられたのではないか。じゃあ、ちゃんと役目を全うしなきゃ……。

「ユウ、ユウ!ストップ!」

「あっ……」

アラタに肩を揺さぶられ、思考の海から抜け出した。

「落ち着いて。……嫌なこと、考えてたでしょ」

図星をつかれ、こくりと頷く。あのままだったら、負の感情に溺れていたかもしれない。

「そんなことはない。だから安心して、大丈夫。俺も、話せることは限られているけど、少しだけなら」

そう言って、アラタは優の肩に手を置いた。

「大きな音を立てなければ絶対無事に帰れる。それを知ったうえで生贄を捧げてる。俺結構信用されてんだよね。まぁ、生贄が体験することとかなにも知らないけど。あと、この空間にいるのはユウだけじゃない、俺もいるだろ」

アラタの言葉の意味を理解するのに、少し時間がかかった。

気づいた瞬間、優は肩におかれたアラタの手を強く握った。

「アラタが、生贄になるってこと…?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ